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設計者の想いの日々(ブログ)2010年12月6日(月)茶道具を作る先日、江戸時代に書かれたと想定される図面を元に、茶道具の製作の監修のお仕事を承りました。この手の仕事は、誰でも出来るというものではなく、業者任せにすると、出来映えが思わしくなかったり、いくら費用がかかるのか、わかったものではありません。 いくらコストがかかってもいいのなら、良いものができるかもしれませんが、それでは面白くありません。創意工夫で知恵を絞って、お手頃価格で良いものを作ってこそ、意義があると私は思っています。お金は大事なものであり、それを生かすも殺すも、人次第なのです。 世の中、高級住宅と称されるものは、多く存在していますが、金額だけは高級住宅で中身は凡庸で、何も伝わってくるものが無かったり、あるいは、高価な材料を使っているのは非常にわかるのですが、お世辞にも趣味が良いとは言えない代物になっているようなことが頻繁に見受けられるのは、非常に残念なことです。 今回承った茶道具は、杉の無垢材と黒竹・晒し竹・胡麻竹(錆竹)だけで作ります。細部にわたって納まりを検討していきますので、実際に製作する大工職人にとっては大変な作業になるでしょう。 現在、大工も伝統技術の継承が危ぶまれていて、工場で出来上がってきたものを組み立てていくだけの「組立木工職人」に成り果てている者が主流になりつつある状況にあります。 「鉋(かんな)」や「のみ」などの道具を使って、荒木の状態からから加工して、綿密に造り上げていくのは、本来の大工の職域だったはずですが、時代の流れと合理化という名のもとに見捨てられようとしています。「組立木工職人」が幅を利かせ、本来の大工のあるべき姿である「加工職人」が希少価値になっていくのは、見るに忍びないものがあります。 今回の茶道具の製作も「組立木工職人」では出来ません。「加工職人」が「組立木工職人」に技術を継承するような機会を与えていく状況を作ることが、設計者の一人としての、私自身の使命であると考えています。
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