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設計者の想いの日々(ブログ)2010年12月30日(木)省エネ・健康配慮の観点からの床暖房
火力・原子力発電所では、深夜のような電力消費の少ない時間帯も、多少稼働率を落としながらも、昼間に近い能力の稼動を続けています。
火力や原子力は一度稼動を止めてしまうと、次に発電を始めるまでにかなりの時間を要するだけでなく、発電機自体に負荷がかかり、発電機の寿命を縮めてしまいますし、出力を絞ったり増やしたりするのにも急にはできません。 そのために、電力需要の少ない、特に深夜などの時間帯でもかなりの量の無駄な発電を続けているのが現状です。 最も電力消費があがるのは真夏の時期で、ピーク時の午後3時と最も需要の少ない午前5時を比較すると、実に2倍近くの差が生じています。 そこで、電力会社は余剰能力の状態にある深夜の時間帯に、電力を使ってもらおうということで、深夜電力の割引サービス(通常の1/4)や、深夜から早朝に稼動する電気式給湯器(エコキュート)の普及に努めています。けれども、まだまだ深夜の時間帯では、発電所側の供給が過剰であるのが現実のようです。 深夜電力を使用して蓄熱するものとしては、エコキュートが代表的ですが、その他に「床暖房」があります。蓄熱材に、深夜から早朝に熱をに貯蔵して、24時間、床から熱を放出するシステムです。 この「床暖房」ですが、人間の体にとっては、とても理想的な暖房方式です。 人間の体温は、上半身が高く、下半身は低くなっています。人間の体でいちばん冷たいのが、足の小指です。「頭寒足熱」という言葉がありますが、これは、上半身と下半身の体温の差を、できるだけ小さくしようとすることです。上半身と下半身の体温の温度差が大きい状態が長く続くと血液の循環が悪くなり、特に高齢者にとっては、病気になりやすい状態となります。そういった状況を克服するために長年の知恵として編み出されたのが、炬燵(こたつ)と湯たんぽです。そのような知恵の延長上として、「床暖房」があるということです。 この「床暖房」ですが、ガスや灯油を熱源として温水を作って、管に温水を循環させて、床を暖める方式もありますが、このやり方は電気式と比較して、故障が多く、維持費がかかるので、現在、私としてはお勧めしていません。 また、「床暖房」の場合、床の表面温度は29℃以下が一般的です。それ以上は低温やけどの可能性があります。 人間の体にとっては、とても理想的である「床暖房」ですが、大きな欠点があります。それは初期費用(イニシャルコスト)がとてもかかるということです。「床暖房」の工事は、その設備を整えるだけでなく、耐熱対応の床材を使用しなければならず、その床材は通常のものと比較して、倍近い値段がかかります。この初期費用の高さによって、「床暖房」を断念せざるをえないことになった方々は非常に多いと思います。 そこで、省エネ対策の観点から、深夜蓄熱式の「床暖房」を普及率を上げ、昼間のエアコンの使用率を下げて、夜と昼の発電所の稼動の均衡を図るとともに、高齢化社会の到来に伴う高齢者への健康配慮の観点から、床暖房を普及させるためにも、太陽光発電が補助金の対象となるのと同様に、床暖房もその対象とする施策があってもいいのではないかと私は考えています。
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