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設計者の想いの日々(ブログ)すべて五角堂~つくば市谷田部
中心の高さが約6m、 一辺5.5mの正五角形になっている、江戸時代の名主・飯塚伊賀七が設計した建物である。当時は同じ敷地内に時計堂があり、朝と夕に太鼓や鐘を自動的に鳴らして町の人に時を知らせたと言われる。築200年経ち、平成元年に保存を目的に解体修理されている。「五角堂と和時計」という名称の茨城県史跡。
「解体修理」とは、建物を丹念に全て解体し、使用できる部材は再利用し、腐朽の激しい部材は新しいものに取り替えて、また一から組み立てていくことを言います。
プラネットウォール(ドイツ漆喰)
「プラネットウォール」は自然素材の先進国であるドイツ製の漆喰で、左官ではなく、ローラーで仕上げることが出来ます。
「コバウ」という調湿性のある強靭な紙を貼ってから、漆喰をローラーで塗っていきます。 「コバウ」という強靭な紙を貼ることで、漆喰が非常に割れにくくなっています。 「プラネットウォール」はビニールクロスと左官工事の中間に位置するお求めやすい価格帯となっています(但し小面積の場合は割高です) 色のバリエーションも白に限るものではありません。 作業工程は以下の通りです。 ①石膏ボードが貼り終わったら、クロスと同様に、継ぎ目やビス穴をパテで処理していきます。(画像はパテ処理前の状態です) ②「コバウ」という調湿性のある強靭な白い紙を貼っていきます。また漆喰を塗る前に木部等をビニールで養生して汚れないようにします。 ③漆喰をローラーで塗って完成です。
壁に手漉きの和紙(西ノ内和紙)を貼る
国と茨城の無形文化財に指定されている手漉き和紙である「西ノ内和紙」を壁に貼ってみました。「西ノ内和紙」は江戸時代、水戸藩の専売品だった歴史を持ち、強靭で長持ちする和紙として知られています。
また、ビニールクロスのように経年劣化していく素材ではなく、時が経るにつれて「経年変化」によって味わいが深まる素材です。 現在、和紙の生産は機械漉きで行われることも多く、手漉きで行われることはかなり少なくなりました。また手漉き和紙を貼ることが出来る職人も非常に少ないのが現状です。 今回は手漉き和紙を壁に貼る工程を整理してみました。 ①石膏ボードの継ぎ目及びビス穴をパテで処理します。 ②パテ処理後、下張り用の西ノ内和紙(600×900㎜)をでんぷん糊で壁に貼っていきます。 ③仕上げ用の西ノ内和紙(600×900㎜)をでんぷん糊で壁に千鳥で貼っていきます。和紙と和紙のジョイントは重ね貼りで仕上げます。 完成写真です。壁だけでなく、ふすま紙、障子紙も西ノ内和紙です。 今回使用した西ノ内和紙の拡大写真です。 西ノ内和紙のような本物の材料を貼っていくには、ビニールクロスの約5倍の材料代及び工事費を要します。決して安くはありません。 けれども、「経年劣化」著しいビニールクロスよりも、「経年変化」により味わい深くなる西ノ内和紙を選択することは、長い目で見れば、決して高いものではないだろうかと私自身考える次第です。
建築士会活動報告~土浦市中城通りポケットパーク事業の工事が始まりました
土浦市中城通りポケットパーク事業の工事が始まりました。今回の工事は土浦市まちづくりファンド(基金)を活用しながら、街並みの景観整備を目的として行われています。12月初旬までに工事完了を予定しています。
中城通りポケットパーク事業の概要 まちかど蔵・野村に隣接する土浦市所有駐車場の道路側の既存のスティールフェンスを撤去して、コの字型で板塀化し、その内部に木製ベンチを設置するものです。歴史的街並みになぜスティールフェンス?という疑問から生まれた構想です。
カルクウォール~スイス漆喰
カルクウォールとはスイス製の漆喰です。その主成分は日本の漆喰と同様、消石灰です。
日本の漆喰は主成分の消石灰に加えて、角又(つのまた)などの海藻を接着剤として、麻すさを壁の補強・亀裂防止の役目として使用しています。 スイスの漆喰は植物でんぷんを接着剤として、ブナセルロース繊維を壁の補強・亀裂防止の役目として使用しています。 漆喰はスイス製でも日本製でも、接着剤・壁の補強・亀裂防止の役目の成分の違いこそあれ、その製法の考え方は同じと言っていいでしょう。 但し、現状の日本の漆喰の既調合品(袋詰め品)は化学成分である樹脂が混ざっていることが殆どであり、厳密には自然素材と呼ぶことは出来ませんが、スイス製のカルクウォールは昔ながらの製法を守っています。 ただ、このカルクウォールを使用するに当たっては注意が必要です。 まず風雨及び凍害により壁の剥落が発生しやすいことです。それを防ぐ手立てとして、屋根の軒の出を大きく取ること、つまり庇を大きくすることです。また風雨の晒されやすい下部の壁(腰壁)を漆喰でなく無垢材で仕上げる等の対策を取ることです。腰壁をつけることで汚れ対策にもなります。 外壁をカルクウォール、腰壁を無垢材で仕上げた例 日本の伝統建築では漆喰が多用されていますが、必ず下部の壁は漆喰でなく、無垢材やなまこ壁などで仕上げられ、また屋根の軒の出も大きく確保しているかと思います。 そうする理由はカルクウォールと同様、風雨・凍害による壁の剥落を防ぎ、また防汚対策のためです。 したがって、現在多く見受けられる、軒の出ゼロに近い、また腰壁もないような現代風の建物にカルクウォールのような漆喰を使用することはお勧めすることは出来ません。 カルクウォールを内装の壁に仕上げた例 カルクウォールの場合、パターン仕上げが主流で、それが安価に仕上げる方法です。次の画像はパターン仕上げの一部です。 本当は日本の漆喰を使用したいところですが、前述通り、樹脂などの混ざり物が多いため、自然素材にこだわる既製品を使用するならば、現在でも自然素材の製法に忠実なヨーロッパ製品を使用しざるをえないのが現状です。 どうしても日本の漆喰にこだわるならば、高価になりますが、以前ブログで取り上げた既製品を使用しない、現場で調合する本漆喰ということになります。
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