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設計者の想いの日々(ブログ)文化財を保存維持管理していくために
先週のニュースです。
「文化審議会(宮田亮平会長)は14日、戦後復興の象徴で、高度経済成長の原点としても親しまれている東京タワー(東京都港区)など建造物126件を新たに登録有形文化財に登録するよう、田中真紀子文部科学相に答申した。近く答申通り登録される見通しで、同文化財は9262件となる。」 後世に伝えうる歴史的建造物を文化財に指定及び登録して、保存・維持・管理していくことは非常に大事なことだと私は考えています。 けれども、文化財となれば、そうそう壊すことは出来ません。 そして、職人の技能不足により、いずれ文化財のメンテナンスが出来ない時代が否応なくやってきようとしています。 例えば、茨城県石岡市に多く残されている、近代建築の商店施設に掲載されているような、昭和初期時代に建てられた商店建築の登録文化財の数々は、建築物の乾式化・機械化に伴う左官業者の熟練工の激減で、今後の修復工事の行く先が危ぶまれています。 40~50%の粗利を追求する日本特有のシステムである「ハウスメーカー・ビルダー」が、職人・技術者を粗末に扱っている現況を変えていかなければ、文化財の修復はおろか、一般住宅の改修・リフォームすら満足に出来なくなる事態に、近い将来、陥ることになります。決して、時間的な猶予はありません。 もちろん私たちは努力しています。けれども、具体的な打開策を見出すために、現時点で、妙案がないのは事実です。
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