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設計者の想いの日々(ブログ)2012年10月31日(水)土佐和紙壁紙
経年劣化が激しく、化学製品である「ビニールクロス」貼ではなく、月日とともに風合が現れてくる自然素材である「和紙」を使いたくても、非常に高価でなかなか使えないのが現状でしたが、「ビニールクロス」と価格面で同等に近い「和紙」を見つけることが出来ました。
本題の「和紙」の話の前に、「ビニールクロス」について、簡単にご説明します。 価格の点から申し上げれば、「ビニールクロス」にも大きく二種類あります。一つは、ハウスメーカー、建売住宅、アパート・マンションによく使用される「普及品」タイプと、良心的な住宅会社・工務店や設計事務所、あるいは店舗などでよく使用される「1000番台」のタイプです。「普及品」タイプは、白系等、花柄模様を中心とする大量普及品で、安価ですが、種類が限られています。「1000番台」のタイプは、種類は非常に豊富で、意匠的にも面白いものもありますが、「普及品」タイプよりは高価です。 当設計事務所で、予算の問題で自然素材を使えず「ビニールクロス」を使用するとすれば、この「1000番」タイプで、「普及品」タイプを使用したとしても、納戸や便所などにその用途を限っています。 本題に戻ります。 「ビニールクロス」と価格面で同等に近い「和紙」は、1000年以上の歴史がある「土佐和紙」で、「和紙」は本来、「手漉き」のものでしたが、高知大学農学部と高知県立紙産業技術センターなどを中心に、「土佐の伝統産業を守る」というこの一念のもとに、近年、「機械漉き」の「土佐和紙壁紙」が開発されました。 「手漉き」を「機械漉き」にすること、そして、営業・販売・流通経費をかけないことによって、コストダウンに成功しています。 この「機械漉き」の「土佐壁紙和紙」は、「1000番」タイプの「ビニールクロス」の価格+100~300円/㎡程度の価格で実現可能です。住宅一軒で、平均の壁・天井の面積が300~400㎡ですから、「1000番台」タイプの「ビニールクロス」+10万前後の価格で実現出来るということになります。(注意:施工会社によって異なります) この和紙の詳細ついては、「土佐和紙壁紙」で検索してみてください。 土佐和紙は国の伝統工芸品として指定を受け、土佐和紙を代表する土佐典具紙、清帳紙は、「無形文化財」に指定されており、土佐和紙の原料である「楮(こうぞ)」「三椏(みつまた)」は、高知県が全国の生産量の55%を占めています。 和紙は、ジョイント部分について、「重ね貼り」が基本です。対するビニールクロスのジョイント部分は、「突き付け」です。つまり、和紙は、1~2cm、ジョイント部分を重ねて貼るため、どうしてもジョイント部分が目立ちます。和紙は、調湿性があり収縮するため、どうしてもそのような施工方法になるのですが、それを風合いと捉えるかどうかは、人それぞれの価値観だと思います。 日本の伝統産業を守り、かつ、日本の伝統を積極的に取り入れて、いかに現代と調和させていくか、これは当設計事務所の使命であると考えています。
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