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設計者の想いの日々(ブログ)2010年10月10日(日)建築するにあたって土地を把握することの重要性
建築物を設計するにあたって、設計者が建築予定地を下見することは「建築のイロハ」です。もちろん、当設計事務所もお客様の敷地に実際に足を運ばずに設計することはいたしません。敷地の調査報告書を設計者以外の者が作成し、設計者がそれを元に、実際に敷地に足を運ぶことなく設計業務を行うことも「建築のイロハ」から逸脱していると思います。
「土地」というものは、分譲地であろうが、市街地や郊外、田園地帯に位置しようが、如何なる場合でも、「土地」を取り巻いている環境があり、「土地」そのものが抱える固有の性質があります。「土地」の大きさや形、接道方向、高低差、日照の問題、周辺の建物や景観など、それぞれ「土地」の条件は違います。これらの問題を総合的かつ直感的に把握するためには、設計者が実際に建築予定地へ足を運ぶ以外に方法はないはずです。 そして、「土地」は自然の一部であり、自然のなかの大地ですから、その大地がどのような建築物が建つことを望んでいるのか、大地に実際に立って歩き回ることで、大地の声に耳を傾ける必要があります。 こうして設計者は、「土地」の全体像を把握しながら、お客様自身がどんな条件を抱えて、建築物の要望がいかなるものかをヒアリングし、設計者の思想を加味して、設計業務を進めていきます。このように、設計をするにあたっては、「土地」というものは非常に重要な要素の一つになるわけです。 ところが、現在の情勢として、「土地」の全体像を把握することなく、「土地」を自然のなかの大地として捉えない傾向が強いため、商品化された建物を微調整して、ただ置いただけのような計画が多くなり、周辺の景観にそぐわない建物が乱立するに至りました。特に、田園地帯に建てられる単調な柄物サイデイングの文化住宅に至っては直視に耐えられません。 よく、日本の電柱や看板広告が街並みの景観を悪化させていると云われますが、いちばん悪化させているものは安易に築造された建築物の数々だとと思います。単に化粧した箱を建てることだけが建築だとしたら、それは既に文化が破壊されてしまっています。 また、「土地」を軽視する傾向の一つの現象として見受けられるのが、「土地」が決まっていないにもかかわらず、請負契約を結ぶ住宅会社や工務店が存在していることです。 工事の請負契約とは、どこの場所に、どのような建物を、いくらの金額で、いつまでの期限に建築物を建てますということですから、「土地」が決まっていない請負契約は架空のでっち上げの契約に過ぎません。「土地」の候補地すら決まっていないのに、とりあえずお客様の話を聞いて図面を書いてしまって急いで請負契約を締結しようとする行為は悪徳商法の一つです。 それから、お客様が「土地」を探されている場合、お客様が漠然と持っている建物のイメージに合っている「土地」かどうかのご相談を積極的に私たち設計者にして頂きたいと思っています。「土地」が全く未定であれば図面を書くことはできませんが、候補地があるのであれば、設計者としてお手伝いさせて頂くことは可能です。 設計者の一人として、「土地」が持っている固有の性質を軽視することなく、「土地」を自然の一部として捉えて、建築物を造り上げていく重要性を今後共、強調していきたいと私は考えています。
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