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設計者の想いの日々(ブログ)床の間を考える
ひたち海浜公園に移築復元された古民家の床の間です。
古来、日本の和室の床の間には掛け軸がかけられ、家人が花を生けて自然を採り込んで、来客の際にはお客様をもてなしていました。 しかし、そんな風習も現代では次第に薄れ、床の間が形骸化し、和室に床の間がない家も増えました。床の間の代替として、リビング・ホール・廊下などに飾り棚などのスペースを造ることもしない全く精神的余裕がない家が多い現実は、現代の貧困な住宅文化を象徴していると言っていいでしょう。現在と比較して、決して物質的に豊かではなかった昔の家の床の間には、日本の文化が息づいていました。 住宅が「日本家屋」から「商品」に変質し、「文化」より「利益」を優先するようになった今日この頃、一人の設計者として、喪失しつつあるものを復興していくのが私自身の役目であると考えています。
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