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設計者の想いの日々(ブログ)2010年8月29日(日)打ち水
元来、日本の伝統的な風習として、「打ち水」というものがありました。毎朝、玄関先、庭先、道路に柄杓(ひしゃく)で水を撒くことで、いわゆる神道的な「清め」という意味と、実用的には、埃が立つのを防ぐ、夏の場合は涼を取るなどの意味合いで、長年、行われてきました。
茶道でも、亭主がお茶会を催すときに、準備が全て整って、お客様をお迎えしてもいい段階になると、玄関先に「打ち水」を行います。 長い歴史を持つ京都などの集落、あるいは老舗のお店などでは、だいぶ少なくなってきたかもしれませんが、「お客様への心遣い」の一つとして、現在でも、「打ち水」を習慣として行っているところもあるかと思います。 このように、日本で長い間根付いてきたものの、廃れてしまいつつある「打ち水」ですが、現在、見直されてきているようです。 政府としては地球温暖化対策として、東京などの都市部ではヒートアイランド対策として、「打ち水」を推奨しており、科学的にも気化熱による温度上昇抑制効果があって、これはあくまで試算ですが、東京23区内の約40%の約265平方キロメートルで打ち水を行えば、打ち水後の気温低下量は2 ~2.5 ℃程度になるという説もあるようで、たかが「打ち水」と言い切れない要素もあると思います。 この「打ち水」も朝夕の涼しい時間に行うと効果は持続しやすく、真昼の暑い時間に行うと、すぐ蒸発してしまって、かえって蒸し暑くなるようで、昔から朝に「打ち水」を行っていた風習は理にかなっていたと言えそうです。 近年の環境対策としての「打ち水」は水道水ではなく、お風呂の残り湯などを再利用して行ったり、水道局が下水再生水を無償提供するなど、複合的に環境問題を考慮して、環境に対する意識啓発を活発化させようという気運が時代の流れになりつつあるようです。 私個人としては、環境対策という側面ばかりでなく、日本の長い間の風習としての「打ち水」を見直して、日本の伝統を守っていくことにもっと主眼を置いたほうがいいのではないかと思います。正直に言えば、少なくとも玄関先では、再生水でなく、きれいな水道水を使って、心遣いとしての「打ち水」を習慣づけたいと私は考えています。
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