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設計者の想いの日々(ブログ)2010年8月1日(日)見積書の明細は必ず必要
住宅業界の支払条件は著しく消費者不利・生産者有利なケースが多いようです。上棟で請負金額の7割の支払が発生する、着工金として、5割以上の支払を要求されたという話は決して珍しくありません。
上棟で7割、あるいは屋根・軸組工事完了(中間)で8割という支払条件も、私たち専門家の立場からすれば、異常と言っていいと思います。上棟時での出来高など、せいぜい2割程度、屋根・軸組工事完了(中間)の出来高もせいぜい3~4割程度でしょう。 このような消費者不利の支払条件は、いかにこの住宅業界なるものが施工者サイドである生産者優位になっているかを雄弁に物語っていると言っていいでしょう。 このような消費者不利の支払条件はハウスメーカー・ビルダーに多く散見されます。 そして、工事を施工する会社が工事途中で倒産し、著しく消費者不利の支払条件の契約だったために、莫大な損失を蒙っている消費者が後を絶ちません。展示場を構えているから大丈夫な会社なのだろうと信頼して裏切られたケースも非常に多いようです。私もそのような案件を多く見聞してきました。上棟して2000万を業者に払い、その直後に業者は倒産、家の木の骨組みが工事途中のまま4~5年放置され、既に木の色が変色しきって、ねずみ色になっている現場を見たときは衝撃的でした。 このような悲劇を無くすためには、工事の出来高以上の金額は極力支払わないことを徹底するのが最善の方法です。 では、工事の出来高をどのように把握するのか?それは見積書の明細書を業者に提出してもらうことです。 基礎工事・大工工事・外壁工事・屋根工事・内装工事等・材料の内訳、例えば柱が1本2500円であるとか、ユニットバスが60万であるとか、屋根の面積が100㎡で50万であるとか、全ての工事と材料の内訳明細を提出してもらうことです。見積書はA4で数十枚になるはずです。 ところが、ハウスメーカー・ビルダーの多くが採用している坪単価+オプション方式はこの内訳明細がはっきりしていないケースも多いようです。 建設業法という法律に次のような条文があります。 (建設工事の見積り等) 第20条 建設業者は、建設工事の請負契約を締結するに際して、工事内容に応じ、工事の種別ごとに材料費、労務費その他の経費の内訳を明らかにして、建設工事の見積りを行うよう努めなければならない。 2 建設業者は、建設工事の注文者から請求があつたときは、請負契約が成立するまでの間に、建設工事の見積書を提示しなければならない。 このように見積の内訳を明らかにするように業者は努める、または消費者の請求に応じて、見積の明細を出さなければならないことは法律で定められております。 坪単価方式+オプション方式を採用し、見積の内訳明細を決して出さないハウスメーカー・ビルダーは建設業法に抵触している可能性があるわけです。このような会社と消費者不利の支払条件の契約を締結する、こんな恐ろしいことがまかり通っているのがこの住宅業界なのです。 見積書を見ても良くわからないという消費者の方々も多いと思います。そのような時に我々、設計・工事監理者である「設計事務所」の力を借りて欲しいのです。 少なくとも私はこの不明朗な業界を消費者にわかりやすいものに変えていく努力を今後も続けていきたいと考えています。
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