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設計者の想いの日々(ブログ)2010年6月14日(月)住宅を計画するにあたって
今日は住宅を計画するうえでの基本中の基本についてまとめてみようと思います。
①玄関 玄関の正面もしくは玄関から見えるような位置に、トイレを配置しない。来客の際、失礼に当たります。 玄関の採光も考慮する。特に北側玄関の場合、とても薄暗いケースが多く見受けられます。 ②階段 通常の場合、17段上がりが理想で、最低15段以上にする。一昔前は13段上がりが主流でしたが、これでは勾配がきつ過ぎます。また、一直線の階段(鉄砲階段)は避け、折り返し階段、L型階段にしてください。階段からの墜落死亡事故は相変わらず多いです。 また余裕があれば、通常の階段有効幅が75cm程度のところを90cmにすると、すっきりとした階段となります。たった15cmですが、侮れません。 ③廊下 採光・通風に考慮する。これもおろそかにされがちです。また余裕があれば、通常の廊下有効幅75cm程度のところを90cmにすると、たった15cmの差ですが、余裕ある廊下になります。 ④キッチン キッチンと洗面脱衣室は家事動線を考慮して近接した位置にする。またアパート・マンションではないので、必ず、キッチンもしくはその近接した位置に勝手口をつけてください。ごく稀ですが勝手口のない家があるようです。キッチンと食器棚の間の距離は1m~1.2mが理想的です。 ⑤トイレ 床面積を縮小したい場合でも、階段下スペースを利用したトイレは絶対に避けてください。毎日使用するトイレの天井が低いと非常に気分が悪いです。 また余裕があれば、衛生上考慮して手洗いコーナーをつけてください。トイレのドアは外開きにしたほうが万が一、中で倒れた方がおられた場合、救出するのに容易です。 ⑥収納 収納は多いに越したことはありませんが、収納が多い家庭がきれいに片付いているかというと必ずしもそうではありません。収納に対する知恵というか哲学を持って計画すると、後で困りません。 ⑦バルコニー、吹抜の手摺 意匠上、美観上は横に何段か走るような手摺がいいのですが、横型の手摺は子供さんが昇ってしまい危険を伴います。 相変わらず、家庭内の墜落死亡事故は多いようです。 ⑧居室 採光はほとんどの場合、気にして計画するのであまり問題になりませんが、通風も考慮したほうがベストです。2箇所以上の窓があったほうが通風はしやすいです。 また居室の用途によっては必ずしも南側・東側に持ってこなくとも構いません。これは使用する方の価値観にも左右されると思います。「陰翳礼讃」という言葉もあります。 あと和室という空間もできれば大事にしたいですね。 ⑨備品 家具やテレビ、パソコン、電話などの位置を決めて、計画をしてください。コンセント等の位置の失敗のもとになります。 ⑩家相 現在は9割以上の方が気にされてないのが現状です。鬼門にトイレや風呂釜があってはならないとか、その他いろいろあるようですが、昔、トイレは汲み取りで衛生上問題がありましたし、風呂釜も直接火を使用してましたから、鬼門を避けるのもわかりますが、現在はトイレも水洗で、風呂も給湯器で電気かガスですから、過剰に気にする必要はないかなという気はします。でもこれは地域性、それぞれ皆、価値観がありますので難しい問題ではあります。 ⑪バリアフリー 高齢者がおられなくても、極力、必要のない段差を無くす。つまづき等の家庭内事故は多いです。 ⑫多少は余裕を持って 建物は単に部屋を押し込めばいいというものではありません。外部の自然との調和を考慮したり、飾り棚を設けたり、ちょっとしたゆとりは毎日生活するうえで重要な要素です。 甚だ、簡単な基本事項を纏めてみましたが、意外とおろそかにされている面も多いのが現状ですので、あえて書き記してみました。
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