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設計者の想いの日々(ブログ)2010年5月2日(日)コスト管理の重要性
もうだいぶ以前の話になります。
お客様の予算が2000万の設定であるにもかかわらず、ある事務所の設計図を元に施工会社各社に見積を依頼したところ、4000万近い見積書が各社から提出されて、どうにもならなくなったお客様からのお話が当事務所に寄せられたことがあります。 2500万の予算で3000万前後くらいの見積であれば、仕様その他の調整次第で、お客様の理想になるべく近い形で施工を可能にすることはできますが、見積が予算の倍になってしまっては、「設計図」の意味は全くない状態、まさに「絵に描いた餅」と言っていいでしょう。 お客様の話と設計図の相違点も多く、いわゆる「建築家」のエゴが前面に出された設計で、「建築家」の創意工夫はもちろん大事なのですが、予算がまるで合わなければ、全く労力の無駄なのではないでしょうか。 コスト管理があってこそ、「設計」が成り立つのです。 確かに、設計事務所に持ち込まれる案件はいわゆる一品受注生産品なので、設計の打ち合わせ段階では予算がつかみにくい側面はあります。 簡単な平面図と立面図だけの状態では見積が出しにくく、今後の打ち合わせで仕様や詳細を丹念に決めていかないと施工可能な正確な見積が出てこないのは事実です。こういった現実の中で、設計者に求められるのが経験に裏づけされたバランス感覚だと思います。 お客様の理想を全部叶えようとすると絶対に予算に合わない、でもそれを頭ごなしに否定せず、できる限り理想に近い代替案を提案するような創意工夫を常に念頭に置いて設計を進めることが重要だと思います。 例えば、「生け花」を例に出してみます。 豪華な花を一万円分たくさん買い込んで、何の創意工夫もなく花器を埋めるようにして生けた花と、決して高価ではない花を数種類2000円で買って、花と花の「間」の空間を生かしながら、伝統や人の経験に裏づけされている創意工夫でもって花器に生けた花のどちらが良いか?私は後者を選びます。 いわゆる「設計」についても同じことが言えるのではないでしょうか。 お金を生かすのも殺すのも人次第です。お金をかけて高価な材料を使ったり、手間をかければ間違いなく良い建物ができるわけではないことをわれわれ設計者は忘れてはいけません。
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