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設計者の想いの日々(ブログ)すべてお金
「お金」はとても大事なものです。「お金」がなければ、ご飯も食べられない、やりたいこともできない、将来のために貯蓄もできない、文化的生活も送ることができません。
私もその例外ではなく、「お金」がとても大事で、「お金」がなければ、生活もできなければ、事務所の運営をすることができません。「金がないのは首がないのと同じ」とは言い得て妙だと思います。 私の仕事はそのとても大事なお客様の「お金」を設計上の創意工夫により最大限に生かして、無駄なお金が使われないようにお客様の立場に立って工事監理することだと思っています。海千山千の生産者重視の住宅・建設業界から消費者であるお客様の利益を守り、その貴重なお客様の利益から報酬をいただくのが設計・工事監理者たる「設計事務所」の役割だと思います。 だから、「設計事務所」は住宅・建設業界にいるのではなく、サービス業としての役目を強く意識して仕事に取り組むべきであって、「住宅・建設業界からの訣別」も考慮しなければならないというスタンスがこれからの時代の要請になってくるのではないかと私は考えています。 *当事務所のHPの「設計事務所とは」の補足的意味合いもございますので、合わせてお読みいただけると幸いです。
日本の森林資源
先日、県の主催するエコカレッジという会合に行ってきたとのですが、日本の木材としての「杉」や「檜」をもっと有効活用して、日本の森林資源を管理し、日本の森の荒廃を食い止めるべきであると私は主張してまいりました。
特に、「杉」については、花粉症が深刻になるほど、有り余っている材料で、節があるものであれば、特に高い材料というものではありません。「杉」が過剰に余っている事実をわかっていない方も先日の会合では多いようでした。国内全体での、年間の「杉」の成長量と消費量の釣り合いが全く取れていないのが現実です。 安価な外国産材に押されて、国産材が苦戦していることが背景にあるわけですが、そんな状況のなかでは森は健全に管理されず、下草刈りや枝打ち、間伐等が行われないで、荒れ放題になりつつあるのもやむをえないのかもしれません。経済性を優先するあまり、安い外国の森林資源を食い荒らし、かつ日本の森林資源を有効活用しないことで、国内をも荒らす結果になっています。 いつまでも、こんな状況を指を咥えて見ているのも忍びありませんので、「杉」で済むものであれば、安価な外材に頼らず、「杉」で済まして、「地産地消」の理念を積極的に実行して必要があると思います。 特に欧州のホワイトウッドの集成材の柱などは、高温多湿な日本の気候になじまず、耐久性に大きな懸念があるのは、材木業界では常識なのですが、相変わらず、日本の大企業であるハウスメーカーはそのような材料を安価という理由で大量に消費しています。 日本の風土にあった「杉」や「檜」を正しく利用することは建築物の耐久性を高め、世界だけでなく日本の環境を守ることにつながるということをここで力説したいと思います。
天職
一所懸命打ち込める仕事があるのは幸せなことです。建築物という形の残るものをお客様との協働作業で一から造り上げていく、まさに天職であると私は思っています。もちろん思った通りに物事が進まずに苦しいときもたくさんあります。でも、楽しいときも苦しいときもその過程を大切にして、前向きに仕事を進めていけば、かならず良い結果を残せると僕は信じています。
ここで作者不明の短編の読み物を紹介したいと思います。 ある男、山の向こうのあなたに「幸ひ」があると聞いて、山の向こうのあなたに行ってみた。 しかし、「幸ひ」など、どこにもなかった。 仕方がないので、この男、もう一つ、山の向こうのあなたに行けば、「幸ひ」があるだろうと考え、もう一つ山を越えて、山の向こうのあなたに行ってみた。 しかし、「幸ひ」など、どこにもなかった。あるのは体の疲労と心の焦燥だけである。 この男、ちょっと苛立ち気味で、近くにあった茶店に立ち寄り、女将に、「この辺に「幸ひ」はあるのかね」と聞いてみた。 すると、この女将、「山の向こうのあなたに「幸ひ」があるそうだよ」と答え、この男、ちょっと疑問に思いながらも、もう一つ山の向こうのあなたに行こうと決心し、やっとの思いで、山を越えてみたところ、「幸ひ」など、どこにも見当たらなかった。 この男は悲しくなった。そして、もう家に帰ろうと思った。しかし、どうすれば家に戻れるか、山を越えすぎて、すでに帰る道もわからなくなってしまっていた。 仕方なしに、この男、「幸ひ」を探しに、来る日も来る日も山を越え続けた。 しかし、この男、苦痛、悲哀が大きくなるばかりで、「幸ひ」など見つからなかった。 そうしているうちに、この男、持病の肺結核が再発した。 だが、この男、山の向こうのあなたに「幸ひ」があると信じて、病身を押して、来る日も来る日も山を越え続けた。 そして、ある日、この男は死んだ。 この男、幸せそうに死んだそうである。 *作者不明ですが、著作権はあくまでこのブログにあります。
世界に一つだけの家
設計事務所に住宅を依頼すると費用が高くつくのではないか、いわゆる建築家主導によりコスト度外視で変な家を建てられてしまう、設計が終わったら、設計事務所は工事に関知せず、施主が工事会社と折衝しなければならない等、設計事務所について、そのようなイメージを抱いている方々が想像以上に多いようです。
少なくとも、当事務所ではそのようなことは全くありません。壁・床・天井に自然素材をふんだんに使用して、坪単価50~60万程度(施工面積換算)で世界に一つだけの家を造ることは十分に可能です。ちなみに大手ハウスメーカーの最終平均坪単価は60万前後で、内装はビニールクロスや新建材が主体です。 なぜ、そのような差が生まれるか?それは莫大な営業経費をかけているか、かけていないかの差です。詳細については、当事務所HPの「設計事務所とは」で書いておりますので、お読みいただけると幸いです。 また、当事務所の理念として、「お客様の利益を保護する」ことを第一に掲げて、「お客様の要望」と「コスト」のバランスについて、常に意識しながら、お客様と打ち合わせしています。どんなに設計が良くても、お客様の予算にまるで合わなかったら、まさに絵に描いた餅です。 もう一点、当事務所の掲げている理念として挙げられるのが、設計完了後、工事に入ってからも、お客様の窓口はあくまで設計事務所にあるということです。その流れの詳細については、当事務所HPの「ご相談から完成までの流れ」でご説明させていただいております。 コストパフォーマンスに優れた、そして、顧客満足度を第一に置いて、「世界に一つだけの家」を今後もお客様に提供していきたいと考えています。
自然の恵み
鬱陶しい梅雨が明けました。
真夏日に家の窓から時折、入り込んでくる涼しげな風はまさに自然の恵みです。エアコンに頼らなければ、多少汗はかきますが、夏はそもそも暑いものですから、いかに工夫して、「涼をとる」かを先人の知恵から採り入れていくことが、これから益々重要になってくるであろう環境問題に対応するために必要なことだと思います。 エアコンに頼らずに夏の日を過ごすために、建物の設計上、もっとも考慮しなければならないことはいかに効率よく風の通り道を作っていくかということです。 居室に開口部が一ヶ所しかない場合、風の入り口はあっても出口がなく、「通風」が起こりにくくなりますので、開口部は二ヶ所取れるようにしたほうがベターです。居室に開口部が一ヶ所しか取れなくても、居室と続きになっている納戸などの最適な位置に開口部を設ければ、風が効率的に通っていきます。 どうしても開口部が一ヶ所しか取れない場合は窓から極力離れた位置に換気扇を取り付けてみてください。 夏の風は南側から入って北側から抜けていきますので、それぞれの敷地の条件を考慮しながら計画を立てていくことをお勧めします。 また、庇を深くとったり、すだれ(よしず)をつけることは夏の強い日射を避けるのに非常に有効です。 庇を深くとると、夏の太陽の高度は高いので、日射を遮り、冬は太陽の高度が低いので、庇が深くても陽射しが入り込んできます。和風の家以外で庇を深くする機会はなかなかありませんが、忘れてはいけないことだと思います。 文明の利器であるエアコンに完全に頼り、自然の恵みである涼風の体感を忘れてしまうと、四季の感覚が鈍り、日本人的感性の喪失の原因となります。 環境を考慮した設計上のより良き工夫で、自然の恵みを体感しながら、四季の折々が感じられるような家造りがこれから、ますます求められる時代になるだろうと私は考えています。
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