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設計者の想いの日々(ブログ)建築素材・材料自然塗料を塗り比べてみて北海道産のカエデのフローリングを、蜜ロウワックスと米糠自然塗料(キヌカ)で塗り比べてみました。 左側が米糠自然塗料(キヌカ)、中央が蜜ロウワックス、右側が素地のままのサンプルです。 広葉樹のような独特の木目を活かしたいのであれば、今回は、「米糠自然塗料(キヌカ)」のほうが良いように私自身は感じました。 「蜜ロウワックス」は、一番絞りエゴマ油と紀州熊野を中心に採られた国産の蜜ロウから出来た自然塗料です。 http://www.mitsurouwax.com/ 「米糠自然塗料(キヌカ)」は文字通り、米糠から出来た自然塗料で、昔の人は、この米糠で、床や家具を磨いていました。 http://www.kinuka.co.jp/ その他に、床などに塗る自然塗料のメーカーとして、ドイツの「オスモ社」などがあります。 http://www.osmo-edel.jp/
Jパネル
「Jパネル」は、間伐材を使用し、乾燥させた杉板を繊維方向にくっつけ、三層構造にした36㎜の厚さの杉パネルです。単なるムク材とは違い、乾燥による狂いが少なく強度に優れています。接着剤も無色で、ホルムアルデヒドを含まない水性のものを使用しており、住宅の床や内壁などに使用できる安全な材料です。
この「Jパネル」ですが、構造用合板や筋交いの代替品としても使用することが出来ます。 2Fの床に「Jパネル」を使用することで、建物の水平剛性を確保することが出来、また、1Fの天井を張らず、2Fの床梁を現しにすることで、「Jパネル」をも現しにすることが出来ます。 合板は極力避けたい、そして自然素材にこだわりたい方にとっては、非常に優れた製品と言えるでしょう。そして、意匠的にも様々な創意工夫をすることが可能です。 施工例についてはJパネルのHPをご参照ください。 「Jパネル」の問題としては、構造用合板の2~3倍の単価がすることですね。 この「Jパネル」ですが、以前は杉の製品しかありませんでしたが、現在は檜で作られた製品もあるようです。
杉浮造りフローリング拭き漆仕上国産杉の浮造り(うづくり)のフローリングに、茨城県の奥久慈産の漆を2~3回塗って仕上げたサンプル品です。 これは、「拭き漆」という仕上げ方で、木目を活かした漆の塗り方です。漆を摺り込むように仕上げるので、「摺り漆」とも言います。 漆は湿気、酸、アルカリに強いですが、紫外線には弱い弱点があります。 水戸の偕楽園の敷地内にある「好文亭」の「東塗縁広間」や「西塗縁広間」の床にも、漆が塗られています。 漆は紫外線に弱いため、南側などの陽の当たる床に使用するためには、細心の注意が必要です。
奥久慈漆
先日、「山方漆ソサエティ」様に、吉野松の「奥久慈漆」の拭き漆仕上げを二枚お願いしました。
茨城県の奥久慈地域は、日本で第二位の「漆」の生産量を誇ってきましたが、現在は安価な中国産に押されて、高品質の「奥久慈漆」も振るわない状況に陥っています。国産漆の使用量は、現在、全体のたった2%に過ぎません。ほとんどが低品質で、劣化の激しい中国産で占められています。 地場産業の復興のためにも、建築士として、これからも最善を尽くしていく所存です。 拭き漆仕上げとは、木目を活かした漆の塗り方で、漆を5回前後、摺り込むことによって、深い艶を帯びてきます。 「奥久慈漆」塗の吉野松に、笠間焼の洗面ボウルを載せる予定です。 来年2~3月には出来上がりますので、この場で公開したいと思います。 「山方漆ソサエティ」 http://www10.plala.or.jp/k-mutou/yus.html 以下、「山方漆ソサエティ」様のHPからの引用です。 「japan」の英訳(漆、漆器)をご存知ですか?磁器を「china」というように、国名と重なるのは希であり、その歴史的背景、重要性は多くの言葉を要しません。しかし時代は、合成漆、科学塗料を生み これらが今生活の隅々で主役演じています。かつて、茨城県北部久慈川上流域(奥久慈地方)は、漆の特産地として名声を博していました。しかし、安価な輸入品により現在その生産は往時の活況とは程遠く、さらに漆掻き師の継続者は皆無と言っても良い状況なのです。この様な中、茨城県山方町のグループが、2001年に会員自らが、漆掻き、生地作り、塗り、そして創作品の開発を目指して立上げたのが、YUS山方漆ソサエティで、東京の漆工芸荻房の指導を受けながら活動しています。
ホワイトウッド集成柱を斬る~経済性を追求した成れの果て
木材業者、大工、あるいは、良心的な建築士の間のなかで、非難轟々の渦に晒されている材料があります。
それは、何かというと、『ホワイトウッドの集成柱』というものです。 「集成柱」とは、いくつもの木片を糊で貼り付けて、105㎜角・120㎜角の柱にしたものです。 集成材は梁、その他造作材にも使用されていますが、今回は、『ホワイトウッド集成柱』にスポットを当ててみたいと思います。 ホワイトウッドの産地は北欧・ロシアなどが産地で、日本の高温多湿の気候からかけ離れた地域で産出されているため、日本の気候に馴染まない材料です。北欧などの現地ですら、腐りやすいという理由であまり使用されていません。 外部に晒されるウッドデッキに使用したなら、3年も持てばいいほうです。 ただでさえ、耐久性のない材料であるにもかかわらず、日本の高温多湿の劣悪な条件で、どれだけ構造体として耐えられるのでしょうか。さらに悪いことに、この材料は、白蟻にも滅法、弱いものです。 『ホワイトウッドの集成柱』がこれだけの弱点を抱えているにもかかわらず、ハウスメーカーを中心に採用されているのは、非常に安価だからです。商社から大量に買い付けることで、コストダウンを図っているわけです。 しかも、『ホワイトウッドの集成柱』が、無垢の柱より1.5倍の強度と喧伝し、画期的な材料のように、消費者に説明しています。確かに、材料が古くないうちであれば、その位の強度が出るように生産しているのでしょうけれども、元々、耐久性に乏しいわけですから、全く無意味です。 こんな材料を使用しても防蟻処理すれば、「長期優良住宅」に適合したりするわけですから、全くの茶番です。 最大手ハウスメーカーの一つは、こんな材料を使用して、坪70万で消費者に売りつけたりする詐欺行為をしているのです。 日本の杉や檜と比較して、格段に耐久性が落ちる『ホワイトウッドの集成柱』をハウスメーカーが使用するのは、もう一つ理由があります。集成材は含水率の低い材料ですから、木の反り・暴れがないため、クロスのひび割れや建具の建付けが悪いなどのクレームを減らすことが出来るということです。 このような些細なクレームを処理するのが煩雑ですので、この手の集成材を使用することになるのです。 日本の森林資源は豊富です。大径木のものは採りにくくなりましたが、柱材程度の太さの樹木は、あり余っています。杉花粉症が深刻になるほどですから、どれだけの林産資源が眠っているのか、想像に難くないと思います。 質の高い日本の林産資源に目を向けず、外国の粗悪な材料を買い付けることで、日本の建築・住宅文化がどれだけダメージを受けているか、大資本のハウスメーカー、地域のハウスビルダー、また、それを支持する消費者には猛省を促したいと私は考えています。
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