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設計者の想いの日々(ブログ)無垢材
考えてみれば、日本には、主に構造材や内装材として、多くの木材、いわゆる無垢材が市場に流通しています。
日本の代表的な樹種である「杉」や「檜」は構造材や、床・壁・天井の内装材や造作材として多用され、産地もほとんど日本全国各地にあります。そのほか国産の無垢材としては、かつては梁などの材料で多用され、現在は信州や岩手産が多く、主に内装材として流通している赤松や唐松などの「松」、木材らしい香りがするけど値段も非常に高い青森産などの「ヒバ」、玄関の式台や上り框(かまち)などに使われる銘木としての「ケヤキ」、今は希少価値ですが、昔は線路の枕木として使われ、拭き漆で仕上げると綺麗な「栗」、集成材としての用途が多い北海道産の「タモ」、檜の親戚である「サワラ」、和室の床柱に至っては、「槐(えんじゅ)」、「花梨(かりん)」、「黒柿」、「一位(いちい)」、「榁の変木」など、銘木が沢山あります。 輸入材では、現在、構造材である梁の材料で主流となった北米産の「米松」、土台や造作材で使われる同じく北米産の「米ヒバ」、用途が雑種な「米栂(べいつが)」、日本ではほとんど枯渇した、床材の用途が多い堅木である中国産の「ナラ」や「サクラ」そして「栗」、内装材として使われる中国にもある「杉」、かつては日本でも大量に採れましたが、今は中国や南米からの輸入が主流で、タンスのような家具や寝室や押入の内装に使われる、比重が小さく発火しにくい「桐」、バンブーフローリングと呼ばれる床材としての「竹」、高級品として世界でも名高い東南アジア産の「チーク」、赤身、白身、赤白(源平)とあって、主に床材に使用される「ラオス松」、最初は白っぽいですが、徐々に飴色に変わる北欧産・内装材である「パイン」、世界三大銘木の一つで、床材やテーブルに使用される欧州・北米産の「ウォールナット」、集成材の柱としてハウスメーカーで多用される北欧産のホワイトウッド、日本や中国ではナラと呼ばれ、主に欧州産の床材である「オーク」などなど、無数にあります。 無垢材の仕上げ方は、アクリルやウレタンでコーテイングしてメンテナンス性を重視した製品や、オイルやワックスで素材感を出す仕上げ方、無塗装のもの、あらかじめ着色された製品、珍しいところでは、前述のような漆、藍染で仕上がった製品もあります。また、床暖房に対応した無垢材も檜やナラなど各社が多くの樹種で開発していて、その方法としては、無垢材の含水率を0%に限りなく近づけて、その後、含水率を確か10%前後だったかな?、そのくらいに戻していって商品化しているようです。 このように、無垢材を勉強すると際限が無く、材木屋が一人前になるには最低でも10年以上かかると云われる所以です。 かくいう私も、無垢材の勉強に余念のない時期があって、カットサンプルを随分収集したものです。目移りするほどの無垢材から自分の好みというか感性に合ったものを選び出すのは簡単なことではありません。 最近では、これだけ多くの樹種の無垢材があるということは、人間にも色々な人々がいるのと一緒で、キリがなく、結局、人との「縁」ではないですが、無垢材にも「縁」があるのではないかと思うようになりました。「縁」を考えると、接する機会が多い理由で、日本の「杉」や「檜」ということになります。ただ、これは「縁」ですので、人それぞれ違うかと思います。 長くなりましたので、無垢材については、また別の機会に、また別の視点で、書き記していきたいと思います。
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