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設計者の想いの日々(ブログ)大内宿の町並み・重要伝統的建造物群保存地区
「大内宿」は、福島県南会津郡下郷町にあり、江戸時代は「半農半宿」の宿場で、約450mの通り沿いに茅葺き屋根の民家が整然と建ち並んでいます。
旧宿場の町並みが再評価され、貴重な文化遺産であることから、1981年、国の重要伝統的建造物群保存地区として選定されてからは、次第に観光地化が進み、年間100万人を超える観光客が訪れるまでになっています。その結果、土産店や蕎麦屋が軒を連ね、テーマパークのような作り物になった感は否めません。 建物の内部が見学できるのは2軒のみです。 旧本陣を復元した建物である「大内宿街並み展示館」 「大内宿」の町並みが現在まで残されきたのは、近代化から取り残された結果、住民の生活習慣や、住民の互助組織である「結」が昔のまま維持されてきたからと言われています。 「結」とは、農の営みや茅葺きの葺き替えなどの作業を住民が協働して行う相互扶助組織で、茅葺きであれば、住民が手分けして、茅を集め、運び、選別し、茅を葺くときは住民100人以上が屋根に上って数日間で仕上げていたようです。「結」という組織があったからこそ、膨大な手間がかかる、「徒然草」に記されている「夏を旨にした」茅葺きの家に誰でも住むことが出来たわけです。 現在は「結」という組織は崩壊し、茅葺きの屋根を葺くとすれば、茅を集めることから何から、全て茅葺き職人にお任せですから、瓦を葺く10倍以上の工事費がかかってしまうことになります。 しかも、現在は、茅葺き屋根の下地に使う茅は簡単に集まりますが、最後の仕上げに使用するための「長くて丈夫な茅」が集まりにくいという状況にあります。 ちなみに「茅葺き屋根」は日本だけでなく、世界各地に見られるようです。 茅葺き屋根の論考については、また別の機会に書き記したいと思います。
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