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設計者の想いの日々(ブログ)松杭工事
今ではだいぶ珍しくなった松杭の工事です。今回は、木造平屋53坪の建物の基礎を90本の松杭で支えます。
木杭の歴史は、ヨーロッパでは1000年以上前からあります。日本でも1600年代からのお城の基礎に採用され、1920年に起工された旧丸ビルにも松杭が使われ、その解体時には、驚くような良好な保存状態で杭が発見されています。 この松杭は、歴史と実績の観点から言えば、ダントツと言っていいでしょう。 但し、設計・工事監理能力がそれなりに要求されるので、安易に採用すべき工法ではありません。 なぜ、私がそこまで苦労してまで松杭を採用するのか? それは、現在、地盤改良工法の主流になっている柱状改良杭工法(セメントと水と土を攪拌して杭を造成する工法)だけは、私は絶対に許容することが出来ないからです。 50~100年後の建替時、強度が期待できなくなっている長さ3~6m、直径60cmの柱状改良杭をどのように撤去するのか、もし撤去できたとしても莫大な費用がかかることでしょう。子孫に禍根を残すような工法が主流になっている住宅業界に良心は存在していません。
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