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設計者の想いの日々(ブログ)2014年10月19日(日)カルクウォール~スイス漆喰
カルクウォールとはスイス製の漆喰です。その主成分は日本の漆喰と同様、消石灰です。
日本の漆喰は主成分の消石灰に加えて、角又(つのまた)などの海藻を接着剤として、麻すさを壁の補強・亀裂防止の役目として使用しています。 スイスの漆喰は植物でんぷんを接着剤として、ブナセルロース繊維を壁の補強・亀裂防止の役目として使用しています。 漆喰はスイス製でも日本製でも、接着剤・壁の補強・亀裂防止の役目の成分の違いこそあれ、その製法の考え方は同じと言っていいでしょう。 但し、現状の日本の漆喰の既調合品(袋詰め品)は化学成分である樹脂が混ざっていることが殆どであり、厳密には自然素材と呼ぶことは出来ませんが、スイス製のカルクウォールは昔ながらの製法を守っています。 ただ、このカルクウォールを使用するに当たっては注意が必要です。 まず風雨及び凍害により壁の剥落が発生しやすいことです。それを防ぐ手立てとして、屋根の軒の出を大きく取ること、つまり庇を大きくすることです。また風雨の晒されやすい下部の壁(腰壁)を漆喰でなく無垢材で仕上げる等の対策を取ることです。腰壁をつけることで汚れ対策にもなります。 外壁をカルクウォール、腰壁を無垢材で仕上げた例 日本の伝統建築では漆喰が多用されていますが、必ず下部の壁は漆喰でなく、無垢材やなまこ壁などで仕上げられ、また屋根の軒の出も大きく確保しているかと思います。 そうする理由はカルクウォールと同様、風雨・凍害による壁の剥落を防ぎ、また防汚対策のためです。 したがって、現在多く見受けられる、軒の出ゼロに近い、また腰壁もないような現代風の建物にカルクウォールのような漆喰を使用することはお勧めすることは出来ません。 カルクウォールを内装の壁に仕上げた例 カルクウォールの場合、パターン仕上げが主流で、それが安価に仕上げる方法です。次の画像はパターン仕上げの一部です。 本当は日本の漆喰を使用したいところですが、前述通り、樹脂などの混ざり物が多いため、自然素材にこだわる既製品を使用するならば、現在でも自然素材の製法に忠実なヨーロッパ製品を使用しざるをえないのが現状です。 どうしても日本の漆喰にこだわるならば、高価になりますが、以前ブログで取り上げた既製品を使用しない、現場で調合する本漆喰ということになります。
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