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設計者の想いの日々(ブログ)2011年3月9日(水)設計事務所を考える
建築士という国家資格を背景に営業を行っているとはいえ、設計事務所と言えども、玉石混淆の世界です。ここで、問題が生じやすい「設計事務所」を僭越ながら、解説してみようと思います。
①お客様から提示された予算をはるかにオーバーした図面を平気で書く。 実現がほぼ不可能である図面を書いてもらったところで、それはただの紙切れです。コスト意識を全く持ち合わせない設計に付き合っても、時間の無駄ですし、仮に実現させようとしたところで、その後の生活設計に狂いが生じてしまいます。過剰なプレゼンをする設計事務所に、そのような傾向の設計が多いようです。コスト管理ができてこそ、「設計」が成り立ちます。また、工事監理まで引き受けてもらうことで、設計事務所の行った「設計」に責任を持たせることが必要です。 ②設計事務所の所長は営業しか行わない。 設計事務所の所長が実務に携わらず、初期段階の営業のみ行い、その後は経験不足の所員が引き継ぐケースです。ただ、この場合、所長がその後も関われば安心というわけではなく、日頃、営業に専心しているため、所長自身、実務に疎くなっているケースも多々見られます。 ③建設業者などからバックマージンをもらう。 特定の建設業者や商品を執拗に勧めてくる場合、バックマージンをもらっている可能性があります。このような場合、設計監理料が仮に安くても、必然的に工事費に上乗せされるうえ、設計事務所としての工事監理が適正に行われないことにもなります。 ④違法建築を平気で行う。 ちょっとした違反ならいいだろうという姿勢が耐震偽装のような違法建築につながります。残念ながら、私が拠点に置く茨城県では、姉歯事件発覚後も違法建築が非常に多いですし、現実に私の事務所の元にも違法建築の依頼があります。当然、当事務所では、一切の違法建築の依頼をお断りしています。 ⑤同じようなパターンの建物の設計が目に付く。 これが設計者の個性・持ち味と言われれば、そうなのかもしれませんが、単に設計者の引き出しが少ない場合が多いような気がします。悪い言葉で言えば、「馬鹿の一つ覚え」です。また、設計者の作風に固執するあまり、お客様の要望を引き出して実現していく作業が非常に下手です。 ⑥単なるYesマンの設計者。 これでは、住宅メーカー・ビルダーの営業マンレベルです。設計者独自の考え方を無理に押し付けてくるのも迷惑な話ですが、その後、建物が完成して、生活し始めて、問題点が多く生じるのを未然に防ぐために、時には、建築主に苦言を呈することも必要です。 以上、キリが無いので、この辺でやめておきますが、私が見聞する限り、優れた設計者は、例外なく、バランス感覚に優れています。これを持ち合わせないと、「設計」や「工事監理」、そして、設計事務所の運営すら難しいと思います。
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