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設計者の想いの日々(ブログ)内装材としてのクロスを考える
壁や天井の仕上げとして、現在、最も使用されているビニールクロスは、英語の「cloth」が由来です。「cloth」は布や織物を意味していて、ビニール系の意味は含まれていません。つまり、元々、壁や天井に使用されるクロスは、布系統のものが使用されていたということです。そのようなクロスは、「布クロス」と呼ばれていて、麻や綿、レーヨン製のものです。安価なビニールクロスが主流となった現在、調湿性のある自然に近い素材として、もっと見直されてもいい材料だと思います。価格としては、一般的なビニールクロスと比較して、㎡あたり500円程度の差額、すなわち、ビニールクロスの1.5倍程度が一般的な相場です。ビニールクロスの3~4倍する珪藻土よりは、だいぶお手頃な材料です。
欠点としては、ビニールクロスと比較して、素材が布なので、掃除がしにくいこと、多彩なビニールクロスの品揃えに比べると、意匠性の幅が狭まることが挙げられます。 ただ、調湿性があり、飽きのこないその素材の利点は捨てがたいものがあり、設計者としても、もっと普及に努めてもいいのではないかと考えています。 調湿性のあるこの布クロスに、その下地である石膏ボードを、珪藻土入りの石膏ボードに変えることで、大幅に調湿機能を上昇させる方法もあります。 この珪藻土入りの石膏ボードですが、通常の石膏ボードの倍の値段がします。けれども、通常の石膏ボードは一枚あたりの原価が300~400円程度ですから、家一軒分、約300枚分でも、10万円程度の差額で済みます。 この調湿性のある下地材に、布クロスのような調湿性のある材料で、家一軒分仕上げると、平均的に、約30万前後の差額となります。(この差額は原価です。ハウスメーカーでは、オプション費用としての請求が、その倍以上となる可能性がございます) 但し、この珪藻土入り石膏ボードも、仕上げ材がビニールクロスのような樹脂系の材料では、その効果を発揮することはできませんので、布クロスや和紙のような調湿性のある材料で仕上げる必要があります。 最後に、このクロスの工事ですが、大工や内装業者の作る下地によって、だいぶ左右されます。つまり、大工が作る下地が下手糞なら、クロス屋さんがいくら上手くても、クロス貼りの出来が悪くなるということです。クロス工事についてのクレームは非常に多いものですが、だいたいは下地に起因しています。 以上、長くなりますので、クロスや下地については、別の機会に、別の視点で、お話したいと思います。
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