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設計者の想いの日々(ブログ)バランス感覚
「いけばな」の稽古では、型や決まり事が基本的にない現代的な「自由花」と、江戸時代から続く和室の床の間に飾るような伝統的な「生花」の2種類を学んでいます。もう一つ、「立花」という室町時代から続く「いけばな」があるのですが、こちらは上級者向けなので、まだ私は習っていません。
「自由花」はこんな感じの「いけばな」です。 アリアムリーキ スターチス カーネーション ゆきやなぎ ガーベラ スィートピー ゴット 現代的な「自由花」といっても、やはり伝統的に続く「いけばな」が持っている「花」と「花」の間(あいだ)の「間(ま)」の要素を採り入れながら、型のない自由な現代性を表現しようとしています。 対して、「生花」はこのような雰囲気です。 リアトリス ハラン トルコききょう アガパンサス オクロレウカ トルコききょう 二つに共通する「型」があるのがおわかりいただけるでしょうか。「生花」には「真」「副」「体」と3種類の役があります。「真」は中心にあり、「副」は左斜め後ろ、「体」は正面の低い位置にあります。この「生花」というのも、その骨格は残しながらも現代的な要素を採り入れたもの、伝統的な「型」を守っているものとがあります。 このように「いけばな」はその伝統を守りつつも、新しいものにチャレンジして、550年の歴史を刻んできました。 「建築」の世界もきっと同じなのではないでしょうか。伝統をないがしろにして、現代風に走り過ぎても、足元が覚束なく、一過性のものに終わりがちですし、伝統を頑なに崇拝するあまり、硬直性を生み出した結果、その時代に対応し切れないで自滅してしまうこともありうると思います。 「伝統」と「現代性」のバランス感覚を磨くことが我々、建築の設計に携わる者の使命であります。少なくとも、私はそう考えています。
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