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設計者の想いの日々(ブログ)2013年3月16日(土)いばらき地域文化財専門技術者
「いばらき地域文化財専門技術者」とは、茨城県建築士会の研修を修了し、歴史的建造物等の保全や活用を通じ地域活性化に貢献することを目的として活動する建築士のことで、私もその一人となっています。別称、「ヘリテージマネージャー」とも呼びます。
その主な活動内容として、 1.歴史的建造物の調査を通じた建物の価値の発見 2.歴史的建造物の保存活用についての提案 3.文化財の修理や保全に関する技術支援 4.災害発生時の被災文化財の調査や技術支援 1995年の阪神・淡路大震災後、歴史的建造物、地域に多量に存する歴史文化遺産の保全が課題となり、兵庫県で、ひょうごヘリテージ機構が発足したのが始まりです。 茨城県においても、東日本大震災で、多くの歴史的建造物が被災し、その保全・活用のための技術者の育成が急務ということで、平成24年度より、茨城県建築士会主催で、茨城県教育委員会の支援を受けながら、歴史的建造物の修理技術や活用手法・歴史文化遺産を活かしたまちづくり等に関する講習を行う「いばらき地域文化財専門技術者育成研修」がスタートしました。 茨城県内においては、歴史的建造物の保全・活用のための活動について、地域間の格差が激しいのが現状です。 常陸太田市・土浦市・石岡市などでは、数多くの歴史的建造物を抱えながら、震災後、既に解体されてしまったり、今後も解体の危機に瀕している建造物が多く存在します。 大震災直後の建築士の応急危険度判定により、赤紙を貼られた歴史的建造物の所有者が、専門家から適切なアドバイスを受けることが出来ずに解体してしまったケース、修復工事の費用を捻出することが出来ず、やむなく解体せざるをえなくなったケースなど様々ですが、歴史的建造物の保全・活用等の提案・調整を行うヘリテージマネージャーが不在であったことも、そのような結果となった一つの要因ではないでしょうか。 「重要伝統的建造物群保存地区」に選定され、地域文化財専門技術者が多く存在する桜川市真壁地区からは学ぶことは多く、そのノウハウを他地域にいかに導入していくかが課題となるとは思います。 但し、高齢化・単世帯化・中心市街地空洞化が進んでいる現在、大きな損傷を受けた歴史的建造物を所有者が修復する余力がないのも現実であり、「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されているため、修復工事に補助金が大量に投入されている桜川市真壁地区と単純に比較することは出来ないでしょう。 地域文化財専門技術者(ヘリテージマネージャー)が所有者に対して、「経済性」と「建造物の構造上の安全性」を両立させる修復工事の提案をすることは決して簡単なことではありません。 このような情勢のなかでも、私自身、「いばらき地域文化財専門技術者(ヘリテージマネージャー)」の一人として、試行錯誤を繰り返しながらも、積極的な活動を行っていきたいと考える次第です。
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