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設計者の想いの日々(ブログ)2011年7月30日(土)腹(肝)を据えて
どんな仕事でも一緒だろうとは思いますが、腹(肝)が据わっていないと、自分自身の生業である、建築の設計の仕事は、やっていられないなと振り返る、今日この頃です。但し、それは、常に自分自身の臆病さと裏腹の関係にあるのであって、年齢を経れば、経るほど、様々な経験が蓄積され、「怖さ」を知り、益々、臆病になっていくものですが、それに伴って、様々な場面での「決断」の積み重ねの重要性がクローズアップされてくるわけです。「決断」が出来なければ、全く前に進みませんし、「臆病」なだけでは、何も実行できずに、終わります。まさに、「羮(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹かす」ような状態に陥ることになります。この故事成語、私は、普段、何気なく使用していますが、書いた序に、この言葉の由来と意味を調べてみました。
「.ある失敗に懲りて、必要以上に用心深くなり無意味な心配をすることのたとえ。羹(肉や野菜を煮た熱い汁物)を食べたら、とても熱くて懲りたので、冷たい食べ物である膾(生肉の刺身。鱠では生魚となり誤り)を食べる時にまで息を吹きかけて冷ましてから食べようとしてしまう、という状況を表している」 誰が言った言葉か忘れてしまいましたが、年齢を経たある人物が、ある若い衆に言いました。「お前、怖いものなんてないだろ?」 若い衆は、粋がって、当然の如く、「はい」と答えました。 誰が見ても、何も恐れていないようかのように見えるその強面の人物は、若い衆を諭すように言いました。「人生は、怖いものを作っていくゲームなんだよ、お前にわかる?」 「怖さ」と「決断」を、未来永劫、繰り返していき、そして、また、原点に戻る。 まさに、「永劫回帰」です。 腹(肝)を据えて、その事実を受け止めて、日頃の業務に努めていきたいと、私は考えています。
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