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設計者の想いの日々(ブログ)すべて水戸の梅まつり~2012年
水戸の偕楽園・弘道館では、「梅まつり」が開催されています。
今年は寒いせいか、2月末時点で、一分咲程度です。 「弘道館」の玄関脇に咲く「蝋梅」です。弘道館は震災の影響で、損傷が激しく、建物内部には、まだ立ち入ることが出来ません。 毎週日曜日には「野点茶会」が開催されています。 偕楽園内の「好文亭」は修復が終わり、梅まつり期間中の週末には、「いけばな展示」が行われています。
「柿赤釉大皿『道』
笠間の伝統的な釉薬を生かしながら、モダンなデザインの作品を創っている陶芸家の佐藤剛さんと、茨城を代表する書の大家である川又南岳先生とのコラボ作品です~「柿赤釉大皿『道』
先日行われた同窓会で、恩師への記念品として作っていただきました。 実物を拝見したところ、触ることも畏れ多いほど、見事な出来映えでした。
水戸の梅まつり・偕楽園開園170年記念・好文亭いけばな展示のお知らせ
第116回水戸の梅まつり・偕楽園開園170年記念・好文亭いけばな展示のお知らせ
・2/18~3/25の毎週土曜・日曜日 ・好文亭開館時間:9:00~17:00 ・水戸市華道連合会~出品流派:池坊水戸支部 ・好文亭の玄関・何陋庵入口・御座の間・梅の間・楽寿楼の5か所で展示されます。 昨年から始まった梅まつり期間中の「いけばな展示」の企画、昨年は弘道館で行われ、開催中、震災に見舞われましたが、今年は好文亭で行われます。 古来、日本の和室の床の間には、掛け軸がかけられ、家人が花を生けて、室内に自然の要素を採り込んで、四季の変化を楽しみ、また、家に訪れるお客様をもてなしてきたものです。それが日本の伝統文化であり、日本人としての嗜みでした。 けれども、重要文化財などに指定されているような歴史的建造物である偕楽園の好文亭や弘道館の床の間ですら、特に何も飾られず、味も素っ気もない状態にあるのは、日本の伝統的な風習から鑑みても、怠慢極まりないということで始まったのが今回の企画です。 偕楽園と同様に、日本三名園の一つである金沢の兼六園にある時雨亭では、5ヶ所ほどの床の間には、365日間、常に絶やさず、花が生けられています。これが本来の床の間のあり方ではないでしょうか。 茨城県でも、せめて、梅まつり期間中だけでも、床の間を「いけばな」で色を添えて、観光で来て頂いているお客様をもてなすのは、茨城県人として、本来あるべき姿なのではないかと私は考えています。
華道は男子の嗜み
現在、華道人口の99%が女性ですが、江戸時代以前は男子の嗜みでした。
この華道ですが、美的感覚・バランス感覚を養うのに最適で、私の生業である建築設計の仕事に非常に役立っています。 豪華な材料を使い、贅を凝らした建物が、優れた建築物になるとは限らず、成金俗悪趣味に堕すことが多いように、華美な花をふんだんに使用した「いけばな」が優れた作品になるわけではありません。日本の華道は、花と花の「間(ま)」が非常に重要な要素であり、そこが西欧のフラワーアレンジメントと違うところです。西欧のアレンジが足し算の美学だったとしたら、日本の華道は引き算の美学です。 現在の私自身にとって、建築設計の仕事も、華道も、基本となる部分は一緒です。 ここのところ、堅い話題のブログが続いていましたので、今まで私が生けた「いけばな」の軌跡をご紹介したいと思います。
六角堂再建への異議申し立て(続き)
六角堂の再建に関わる使用木材の件について、茨城県建築士会専務理事兼事務局長の加藤繁治さんより文書で昨日、回答がありました。新聞の記事と異なる点もあり、そのまま引用します。
「六角堂再建の使用木材のことですが、実は昨年の11月に伐採し、2ヶ月間現地で葉枯らし乾燥を行いました。 1月17日、所定の長さにして切り出し、現在、北茨城市五浦で現地で馴染ませる自然乾燥を行っています。 ここで、約1ヶ月間自然乾燥を行い、その後、機械乾燥を行うと茨城大学から聞いております。 従って、3月末までに完成することはできないと思います。 建築士会は、再建設計づくりのお手伝いをしましたが、現在は、工事が発注されて請負者の松井建設と茨城大学の間で工事が進められております。」 本日、別件もあり、建築士会本部にお伺いし、事務局長の加藤さんとお話しました。発注元の茨城大学の意向として、5月の連休前には、六角堂の再建を終えたいということ、もう一点、生誕150年を迎える岡倉天心と同じ樹齢150年のいわき市のスギ(新聞で伐採の様子が報道されたもの)を是非使用したいとのことでした。 ここで、原木の伐採から竣工までの流れを検証していきたいと思います。 まず、原木を伐採後、葉枯らし乾燥をしたということですが、冬場の葉枯らし乾燥期間として、最低3~4ヶ月は要すると想定されますが、今回の乾燥期間は2ヶ月程度です。 葉枯らし乾燥とは、伐倒後枝葉を付けたまま、山に寝かせて、葉が黄変もしくは赤変するまで自然乾燥させることです。果たして、今回、約2ヶ月で葉が変色・枯れるまで、乾燥させたのか、疑問が残ります。 葉枯らし乾燥後、北茨城に運搬し、自然乾燥で現地の気候に馴染ませる、これは非常にいいことだと思います。ただ、期間が一ヶ月と短すぎます。 問題となるのは、その後の過程です。つまり、機械乾燥をかけてしまうということです。前回、申し上げた通り、人工機械乾燥の釜に材木を入れると、材木の持つ脂身が失われ、内部割れを引き起こし、強度の低下をもたらします。また大工の手刻みが多く必要とされる建物において、人工乾燥の木材では、粘りがないので、手刻みでは弾き易く、欠けてしまうこともあるわけです。つまり、神社仏閣などの類のプレカット(自動製材)の出来ない建物では、天然乾燥の材木を使用するのが常識なのです。 復興を急ぐ気持ちは非常にわかります。ただ建築物の品質を落としてまで、国の文化財の再建を急ぐ是非を、私は問いかけたいのです。 建築物の品質を落とすこと、これは、つまり、世間で糾弾されている手抜き工事です。発注者が急いでいるからと言って、本当に建築物の品質を落としていいのでしょうか。 建築のプロとして、発注者サイドを根気強く説得すべきなのに、それが出来ないのは、建築士としての職務を放棄しているようなものなのではないでしょうか。 手抜き工事は、大人の諸事情で行われることが非常に多いわけですが、今回のケースはその典型例であると、私自身は捉えています。
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