設計者の想いの日々(ブログ)
カレンダー
<< 2017年12月 >>
262728293012
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31123456
カテゴリ
すべて(419)当設計事務所の姿勢・信条(31)建築雑感(24)建築知識(22)建築構造・性能(17)建築文化・伝統(27)建築素材・材料(27)住宅・建築業界(17)建築設備(5)設計者の日常(33)工事監理・現場紹介(11)お知らせ・ご挨拶(19)建築士会での活動・広報(15)東日本大震災・竜巻・災害(21)東北の町並み・建築探訪(11)栃木県の町並み・建築探訪(14)関東の町並み・建築探訪(14)京都の町並み・建築探訪(19)西日本の町並み・建築探訪(2)茨城県北の町並み・建築・施設探訪・自然・文化(13)茨城県央の町並み・建築・施設探訪・自然・文化(30)茨城県西の町並み・建築・施設探訪・自然・文化(8)茨城県南の町並み・建築・施設探訪・自然・文化(34)茨城県鹿行の町並み・建築・施設探訪・自然・文化(5)
最新記事
アーカイブ
永井昭夫
建築設計事務所
mail@nagai-sekkei.com
茨城県を中心として
活動している
設計事務所です。
対応エリア

水戸・ひたちなか・那珂・
日立・常陸大宮・城里・
笠間・鉾田・小美玉・
石岡・土浦・つくば・
筑西・古河・牛久・
龍ヶ崎・取手・守谷
その他地域もご相談下さい。

設計者の想いの日々(ブログ)

建築設備

全館空調システム

全館空調システムとは、リビング・和室・主寝室などの居室だけでなく、トイレ・洗面脱衣室・廊下等に至るまで、家の隅々まで、冷暖房を行き届かせるシステムのことを言います。
家の中では、どこでも温度差がほとんど無いので、非常に快適なシステムと言えるでしょう。
特に冬場の「ヒートショック」の現象が起こりくいのが全館空調の最大のメリットです。
ヒートショックとは、急激な温度変化が体に及ぼす影響のことです。室温の変化によって血圧が急激に上昇したり下降したり、脈拍が早くなったりする状態のことをいいます。
室温の変化にさらされた人間の体は体温を一定に保つために、血管が急激に収縮し血圧の変動や脈拍の変動を起こします。ヒートショックによって、心筋梗塞や脳血管障害などの病気になりやすくなり、一説によると、その影響により、年間1万人の方が亡くなっているとも言われています。このようなヒートショックがもたらす諸問題を解決し得るのが中高年齢層に優しい全館空調システムです。
全館空調システムは家一軒を室外機一台で賄います。個別空調と違って、室内の送風は非常に緩やかで、空調が作動しているのに気が付かないほど静粛です。電気代についても、個別空調の場合と、ほとんど差はないようです。
但し、全館空調システムは高気密高断熱仕様が前提となります。

このように全館空調システムは非常にメリットも多いですが、デメリットも当然あります。
一番のネックはやはり、その設置費用が高額なことです。平均的な住宅の規模、延床面積40坪程度で、150~200万程度はかかります。
また、冬場は過乾燥になりやすいので、数台の加湿器は必須になります。
それから、小屋裏などに機械室が必要になること、ダクトの配管スペースが収納スペースの角などに必要となり、その面積分がもったいないなどが挙げられます。
もう一点、私自身、設計者として懸念することは、空調に頼り過ぎた結果、四季折々の季節の感覚が鈍り、日本人的感性の喪失の原因となりうるということでしょうか。
この点につきましては、過去の私のブログ 自然の恵みに書かせて頂いています。

いずれに致しても、空調になるべく頼らず自然の恵みを最大限引き出すような工夫をするのか、あるいは一般的な個別空調を採用するのか、それとも全館空調システムによって健康に配慮するのか、どれを採用するかについては、建築主の裁量に委ねたいと私は考えている次第です。
カテゴリ:建築設備 2013年8月5日(月)

再生可能エネルギーの固定価格買取制度

再生可能エネルギーの固定価格買取制度が今年の7月1日から始まりました。
「再生可能エネルギー」とは、太陽光、風力、地熱、水力などのことです。これらの発電設備をある一定量、備えれば、発電した電力を全量、固定価格で、20年間(地熱は15年)、電力会社が買い取るというのが、今回の制度の概要です。

太陽光発電を例に上げると、平成24年度内に、10kw以上の発電設備を備えれば、発電した全量を、20年間、1kw当たり40円(税抜)という固定価格で、電力会社が買い取る仕組みになっています。不思議な話かもしれませんが、自ら発電した電力を、自らは全く使用することができません。
10kw以上の全量買取の場合、設置費用にかかる補助金制度はありません。

住宅などの10kw以下の太陽光発電では、余剰電力を10年間固定価格で買取ってもらうというものです。発電した電力を自ら使用して、従来どおり、余った電力を、電力会社に売るという形になります。こちらのほうは引き続き、設置費用に係る補助金制度があります。

平成24年度設置した場合、20年間の買い取り固定価格は、1kw当たり40円(税抜)ですが、平成25年度以降の買い取り価格は徐々に下がることが予想されます。但し、太陽光発電の普及に伴い、発電設備の設置費用も下がるでしょう。

この40円(税抜)という買取価格はだいぶ高めと言われていますが、電力会社は特に損をしない仕組みになっています。
つまり、40円(税抜)という全量買取価格から、電力会社が同じ量の電気を発電するのにかかる費用を差し引いた分が、一般家庭の電気料金に上乗せされるからです。これを発電促進付加金(サーチャージ)と呼んでいます。
再生可能エネルギーの固定価格買取制度の普及が進めば進むほど、一般家庭の電気料金は上がります。

10kw以上の発電設備を備えた場合、税制の優遇措置があり、下記のいずれかから選択することが出来ます。
・中小企業者に限り、取得価額の7%相当額の税額控除
・普通償却に加えて取得価額の30%相当額を限度として償却できる特別償却
・即時償却(取得価額の100%全額償却)

再生可能エネルギーの固定価格買取制度が開始される前後から、当設計事務所にも、10kw以上の太陽光発電設置に関わる相談が増えています。
設置に係る初期費用については、データが蓄積され次第、公表したいと考えています。

最後に、太陽光パネルは、大きく「単結晶」と「多結晶」の二つがありますが、コストは若干高めでも、必ず、発電効率の良い「単結晶」をお選びください。
カテゴリ:建築設備 2012年7月28日(土)

2012年現在の太陽光発電システムを考える

太陽光発電システムの価格がだいぶ下がってきました。3年位前までは1KW当たり65~70万の設置費用がかかりましたが、現在では、1KW当たり50万を切るような見積も珍しくなくなりました。
平成24年度からは、1KW当たり55万以下の設置費用でないと、国の補助金が出ないことになり、さらに、1KW当たり47.5万以下の設置費用で済むのであれば、通常よりも国の補助金が上乗せされるという施策が行われることとなりました。
太陽光発電を扱う各企業の努力と、国の施策により、これから益々、設置費用(イニシャルコスト)は下がるでしょう。但し、現在の住宅用の1kWh当たりの売電価格については、現在42円ですが、今後、少しずつ抑えられていくことが予想されます。
メンテナンスとして、10年ごとにパワーコンディショナーの交換が必要だったりするので、数年前までは、太陽光発電を設置しても、元を取ることは難しいだろうと言われていましたが、2009年から始まった売電制度や、国の補助金や各自治体の補助金も手厚くなり、現在では10~15年で初期投資を回収することも十分可能と言われています。
住宅の太陽光発電システムは約3.5KWの設置が平均的な相場です。3.5Kwと言っても、これは公称なので、実際はその7~8割の発電量なのが現実です。自動車メーカーが公表している車の燃費の公称と同じような扱いですね。
太陽電池は、価格は、「多結晶」より少し高いですが、発電効率の高い「単結晶」がお勧めです。
昨年の大震災時、被災地では電気も水道も止まりましたが、停電であっても、日中晴れていれば、太陽光発電システムからコンセント一個分の電源を取り出すことが出来ます。その電源を使用して、井戸ポンプを動かせば、水の供給も可能になります。非常時の際は大変重宝されるシステムと言えるでしょう。
また、電力モニターにより、発電と消費した電力をリアルタイムに表示しますので、節電の意識は非常に強くなります。

但し、太陽光発電システムも大きな欠点があります。それは景観を壊すことです。
伝統的な建築物が多い京都では、景観規制により、太陽光発電システムを設置することが出来なかったりする地域も多いようです。確かに、伝統的、あるいは和風の建物に太陽光パネルを搭載したら、非常に見苦しい建物になってしまうことを否定することは出来ません。街中の電柱や電線が、街の景観を悪くしてしまうのと一緒でしょう。
もちろん、自然エネルギーを活用することは大事です。けれども、景観の悪化は日本の良き伝統の破壊にもつながりかねないことですので、設計者の一人として、何らかの対応・創意工夫が必要であると私自身、考えているところです。
カテゴリ:建築設備 2012年4月2日(月)

省エネ・健康配慮の観点からの床暖房

火力・原子力発電所では、深夜のような電力消費の少ない時間帯も、多少稼働率を落としながらも、昼間に近い能力の稼動を続けています。
火力や原子力は一度稼動を止めてしまうと、次に発電を始めるまでにかなりの時間を要するだけでなく、発電機自体に負荷がかかり、発電機の寿命を縮めてしまいますし、出力を絞ったり増やしたりするのにも急にはできません。
そのために、電力需要の少ない、特に深夜などの時間帯でもかなりの量の無駄な発電を続けているのが現状です。
最も電力消費があがるのは真夏の時期で、ピーク時の午後3時と最も需要の少ない午前5時を比較すると、実に2倍近くの差が生じています。

そこで、電力会社は余剰能力の状態にある深夜の時間帯に、電力を使ってもらおうということで、深夜電力の割引サービス(通常の1/4)や、深夜から早朝に稼動する電気式給湯器(エコキュート)の普及に努めています。けれども、まだまだ深夜の時間帯では、発電所側の供給が過剰であるのが現実のようです。
深夜電力を使用して蓄熱するものとしては、エコキュートが代表的ですが、その他に「床暖房」があります。蓄熱材に、深夜から早朝に熱をに貯蔵して、24時間、床から熱を放出するシステムです。

この「床暖房」ですが、人間の体にとっては、とても理想的な暖房方式です。
人間の体温は、上半身が高く、下半身は低くなっています。人間の体でいちばん冷たいのが、足の小指です。「頭寒足熱」という言葉がありますが、これは、上半身と下半身の体温の差を、できるだけ小さくしようとすることです。上半身と下半身の体温の温度差が大きい状態が長く続くと血液の循環が悪くなり、特に高齢者にとっては、病気になりやすい状態となります。そういった状況を克服するために長年の知恵として編み出されたのが、炬燵(こたつ)と湯たんぽです。そのような知恵の延長上として、「床暖房」があるということです。

この「床暖房」ですが、ガスや灯油を熱源として温水を作って、管に温水を循環させて、床を暖める方式もありますが、このやり方は電気式と比較して、故障が多く、維持費がかかるので、現在、私としてはお勧めしていません。
また、「床暖房」の場合、床の表面温度は29℃以下が一般的です。それ以上は低温やけどの可能性があります。

人間の体にとっては、とても理想的である「床暖房」ですが、大きな欠点があります。それは初期費用(イニシャルコスト)がとてもかかるということです。「床暖房」の工事は、その設備を整えるだけでなく、耐熱対応の床材を使用しなければならず、その床材は通常のものと比較して、倍近い値段がかかります。この初期費用の高さによって、「床暖房」を断念せざるをえないことになった方々は非常に多いと思います。

そこで、省エネ対策の観点から、深夜蓄熱式の「床暖房」を普及率を上げ、昼間のエアコンの使用率を下げて、夜と昼の発電所の稼動の均衡を図るとともに、高齢化社会の到来に伴う高齢者への健康配慮の観点から、床暖房を普及させるためにも、太陽光発電が補助金の対象となるのと同様に、床暖房もその対象とする施策があってもいいのではないかと私は考えています。
カテゴリ:建築設備 2010年12月30日(木)

白熱灯・蛍光灯・LED

照明器具は大きく分類するとすれば、白熱灯、蛍光灯、LEDの三つに分かれ、それぞれに長所と短所があります。

白熱灯は蛍光灯やLEDと比較して燃費が非常に悪く、温暖化防止・省エネの観点から廃止の方向で世の中が動いておりますが、いちばん落ち着いて、人がくつろぐことができる、自然光に近い照明と言われています。
飲食店で白熱灯の種類の照明器具が多用されるのは、落ち着いて寛げるからだけでなく、料理が美味しく映えて見えるからです。白熱灯は蛍光灯と違って、空間を均一には照らすことはできず、どうしても陰影ができてしまいますが、この陰影によって、物の立体感や艶が強調されますので、料理が映えて見えるだけでなく、壁や天井の内装や空間を演出することが出来て、人の表情をも豊かに綺麗に見せることができます。絵画や写真に陰影の要素が重要であるのと同様だと思います。

蛍光灯は空間を均一に照らし、影がつきにくく、作業用の照明として最適で、オフィスや台所・厨房などに向いています。蛍光灯の色として、オフィスでよく使用される青く白い光である昼白色と、白熱電球の色に似せた黄色い光を放つ電球色があります。トイレや洗面所のように点灯・消灯を繰り返すような場合は寿命が短くなりますが、一般的な燃費は白熱灯の約4倍良いようです。

LEDは照明器具として、まだ歴史が浅く、開発途上にあると言えますが、燃費は非常に良く、寿命も長いので、値段はまだまだ高いですが、今後の展開には注目すべきものがあります。LEDの照明器具の現在の性能としては、光が直線的で広がらないので、特に大きな部屋では暗くなりがちで、実用には耐えられないのが本当のところです。廊下やトイレなどの細い空間や補助的な間接照明の用途であれば、大きな問題は発生しないと思われますが、設計者として、LEDを蛍光灯や白熱灯の代替品として積極的に勧めることはまだできません。

このようにエコロジーの観点から言えば、照明器具の選択として無条件に蛍光灯・LEDとなるわけですが、正直に申し上げて、生活を豊かにしてくれる白熱灯の魅力も捨てきれないものがあります。白熱電球の色と同じような電球色の蛍光灯もあることはありますが、均一に照らし出す蛍光灯の特性から逃げられませんので、白熱灯が映し出す物の陰影までは表現することはできません。
蝋燭の灯火が郷愁になってしまったように、白熱灯の明かりも郷愁になってしまうのか、それとも技術の進歩により、省エネ時代に即しながらも白熱灯の代替品として耐えられるような照明器具が開発されていくのか、設計者として、今後の行方を用心深く見守りたいと考えています。
カテゴリ:建築設備 2010年10月3日(日)
Copyright (C) 2017 永井昭夫建築設計事務所 All Rights Reserved.