設計者の想いの日々(ブログ)
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永井昭夫
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奥久慈漆

先日、「山方漆ソサエティ」様に、吉野松の「奥久慈漆」の拭き漆仕上げを二枚お願いしました。
茨城県の奥久慈地域は、日本で第二位の「漆」の生産量を誇ってきましたが、現在は安価な中国産に押されて、高品質の「奥久慈漆」も振るわない状況に陥っています。国産漆の使用量は、現在、全体のたった2%に過ぎません。ほとんどが低品質で、劣化の激しい中国産で占められています。
地場産業の復興のためにも、建築士として、これからも最善を尽くしていく所存です。
拭き漆仕上げとは、木目を活かした漆の塗り方で、漆を5回前後、摺り込むことによって、深い艶を帯びてきます。
「奥久慈漆」塗の吉野松に、笠間焼の洗面ボウルを載せる予定です。
来年2~3月には出来上がりますので、この場で公開したいと思います。

「山方漆ソサエティ」
http://www10.plala.or.jp/k-mutou/yus.html


以下、「山方漆ソサエティ」様のHPからの引用です。

「japan」の英訳(漆、漆器)をご存知ですか?磁器を「china」というように、国名と重なるのは希であり、その歴史的背景、重要性は多くの言葉を要しません。しかし時代は、合成漆、科学塗料を生み これらが今生活の隅々で主役演じています。かつて、茨城県北部久慈川上流域(奥久慈地方)は、漆の特産地として名声を博していました。しかし、安価な輸入品により現在その生産は往時の活況とは程遠く、さらに漆掻き師の継続者は皆無と言っても良い状況なのです。この様な中、茨城県山方町のグループが、2001年に会員自らが、漆掻き、生地作り、塗り、そして創作品の開発を目指して立上げたのが、YUS山方漆ソサエティで、東京の漆工芸荻房の指導を受けながら活動しています。
カテゴリ:建築素材・材料 2012年12月1日(土)

省エネ義務化VS伝統通風派

もう以前の記事ですが、非常に面白いものだったので、下記に、そのまま引用します。この件についての当設計事務所の意見は、今回、差し控えます。別の機会に詳しく書き記したいと考えています。


国土交通省は7月10日、2020年までに全ての新築建物に省エネ基準への適合を義務付ける方針や、次世代省エネ基準(1999年基準)を見直す方針などを正式に決定した。
方針の案を5月10日から6月11日までパブリックコメント(意見公募)に掛けた際に集まった意見と、各意見に対する同省の見解も公表。意見の一部を方針に取り入れた。

“伝統派”“通風派”関連の意見
意見(1)
 断熱性能レベルアップの義務化によって、伝統工法による真壁づくりの住宅が不可能にならないようにすべきだ。
意見(2)
 気密、断熱以外に、日本の伝統家屋に見られる通風、庇、蓄熱、遮熱などの環境性能評価も取り入れるべきだ。
意見(3)
 一般住宅の断熱性能を上げるという方向性に対しては断固反対。風通しのいい家、土壁で調湿効果があり温度では表せない快適さのある家など、本当の意味でのエコな家が建てられなくなるからだ。
意見(4)
 全国一律の基準のなかに組み込むことで、温暖地の住宅の持つ開放性が損なわれはしないか。小規模住宅においてはその規制を緩やかにして選択の幅を広げるべきだ。
意見(5)
 日本古来の工法は、日本の気候風土に根ざした日本のための建築方法である。省エネ基準にはこういう工法を新技術と対等の地位で取り入れて、消費者がどちらでも自由に選択できるようにすべきだ。

【国交省の見解】
 伝統的な工法や日本の気候風土に合わせた住まいづくりの工夫については、関係する有識者などの参加を得て検討を進める。
 *意見(1)~(5)に対する共通の見解
カテゴリ:建築構造・性能 2012年11月17日(土)

大手ハウスメーカーの平均坪単価



上記は住宅業界の専門家向けに開催されたセミナーの資料で、大手ハウスメーカ-の平均坪単価です。特に凝った住宅というわけでなく、あくまで、ごく一般的な普通の家の単価です。
大手ハウスメーカーの販売価格に対する工事原価の割合は5~6割です。つまり、3000万の家だったら、1500~1800万程度しか、実際の工事には割り当てられていません。
その他4~5割は販売などの経費となります。

建物の内容と比較して、大手ハウスメーカーのコストパフォーマンスは格段に落ちますが、「大手のブランド力」や「イメージ戦略」が、高価格をカバーしていることになるのでしょうか。

けれども、本物を志向する建築士から本音を言わせて頂くのであれば、「大手のブランド力」や「イメージ戦略」は、単なる「幻想」に過ぎません。

それが「幻想」であることに気がついたお客様にとって、これからも、当設計事務所はお役に立てる存在でありたいと、私は考えています。
カテゴリ:住宅・建築業界 2012年11月17日(土)

亥の子餅(いのこもち)



紫式部の「源氏物語」に登場する「亥の子餅」は、冬が近づく「亥の月亥の日」に、無病息災と、多産の猪にあやかって子孫繁栄を願う平安時代の宮中行事「御亥猪」に由来しています。
鎌倉時代に入り、武家にも同じような儀式が広まり、「亥の子餅」を食したと言い伝えられています。
江戸時代になってからは、一般民衆にもその風習が広まり、囲炉裏(いろり)や炬燵(こたつ)を開いて、火鉢を出し始めた頃に、「亥の子餅」を食べ、茶の湯の世界でも、「亥の月亥の日」を炉開きの日としており、茶席菓子 として「亥の子餅」を用います。

季節感溢れる日本の古来からの風習を大事にしたいですね。
カテゴリ:設計者の日常 2012年11月10日(土)

土浦まちかど蔵「レンガ蔵」


土浦まちかど蔵「レンガ蔵」~明治25年建築

この「レンガ蔵」は、現在、土浦市が所有、喫茶店として利用されています。
去年の震災で、大きな被害を受け、一度取り壊しが決定されましたが、その後、一転、修復保存工事が行われ、今年6月末、営業を再開しました。
約5,000本のステンレスピンでレンガ壁を固定し、建物内部に鉄骨軸組を組み立て、レンガ壁に掛かる屋根の荷重を軽減した工事が行われたようです。
明治時代のレンガは、お世辞にも質が良いものとは言えず、非常に脆いレンガが多いのが正直なところで、そんな脆いレンガにステンレスのピンを打ち込むために穴を開けるような工事には賛同出来かねます。
このレンガ造ですが、明治に入って、ヨーロッパの真似事から始まったようですが、地震大国の日本では、問題が多過ぎますので、現在、新築で建つことはありません。
地震のほとんどないヨーロッパ地域で普及した工法を、地震の多い日本に持ち込む行為は、現在の視点から考慮すると「愚の骨頂」という意見は多々あります。
この「レンガ蔵」が私的利用ならまだしも、公の所有で、不特定多数のお客さんが出入りする「喫茶室」の利用は、大きな問題を抱えています。
今回、地震が起きたらすぐ逃げ出そうという態勢で、この「レンガ蔵」に入ってみましたが、「安全の確保」から程遠いというのが私の感想です。
歴史的建造物を修復・保存しながら活用していくことは非常に賛成なのですが、この「レンガ蔵」は、日本人の「新し物好き」の習性から造られたものであり、たまたま残存していた「遺構」を公的利用することに対しては、残念ながら、反対せざるをえません。
とは言っても、「レンガ蔵」が建築的に素晴らしいと、私自身、率直に感じているのも否めない事実です。
カテゴリ:茨城県南の町並み・建築・施設探訪・自然・文化 2012年11月10日(土)
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