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設計者の想いの日々(ブログ)家を買うという造語を考える
「家を買う」という表現がこの昨今、頻繁に使われるようになりました。建売住宅や中古住宅で、現に存在しているものならば、まだ話はわかるのですが、注文住宅ですら、そのような言い回しがされることがあります。この世のどこにも存在しえない現場加工品である注文住宅を、いったい、どこで、どのようにして、買ってくるのか!?
とても不思議に感じる表現です。 例えば、飲食店を開いたり、福祉施設などを運営するにあたって、建物を新しく建てる場合、そのオーナーさんは、建物を買うという表現を間違ってもしません。建物を造って、事業を経営していくのですから、「建物を買う」という概念は全くありません。 役所でもそうです。公共施設など、買いようがありませんから、多くの市民(国民・町村民)の声や有識者の意見を聴きながら、設計業務を、建築士事務所に委託して、骨格を固めていきます。 このように、住宅以外の建物は、堅実に、少しずつ造り上げて、現実のものにしていくのに対して、なぜ、住宅だけは、「青い鳥」を求めるかのように、「購買」的な要素に振り回されるのか、甚だ、疑問です。 もっと、直截な言い方をしましょう。 「家を買う」という表現は、「日本語」として、成り立っていないのではないでしょうか? この世に存在し得ないものをどのように買うというのでしょうか? それぞれの異なった敷地条件と、建築主であるお客様の百人百様の価値観・美意識・生活設計に基づいて、街並みで生きた家を建てるならば、「家は造る」ものなのです。 「家を買う」という表現は、効率よく「家を売る」ことで、利益を上げたい立場の者が作ったこの数十年の造語に過ぎません。 この世に決して存在し得ないものを、在るかのように見せかけて売る商売から派生した造語で、これ以上、日本の住宅文化やモラルが破壊されていく事態を看過することは、設計者の一人として、できないことです。
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