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設計者の想いの日々(ブログ)次々と失われゆく文化遺産
歴史的建造物が集積する土浦市中城通り(旧水戸街道)付近で、現在、昭和初期の貴重な文化遺産が失われつつあります。
この建築物は空き家の時期がしばらく続き、つい最近、とある不動産業者が競売により落札し、即解体という運びとなりました。 時代の流れなのか?それとも単なる無節操・無見識なのか? 少なくとも、現在のスクラップ&ビルドの風潮は、ヨーロッパや昔の日本が持っていたリノベーションの精神から程遠いものです。 そして特に現在の住宅に関して言えば、文化的価値のない、しかもコストパフォーマンスの低い単なる組立品による箱物が主流を占め、「経年変化」に伴って、味わいを増すような建築物は殆ど造られていないと言っていいでしょう。ただただ「経年変化」ならぬ「経年劣化」を待つのみの文化的価値が全く認められない箱物に住んでいて、どうして日本国憲法第25条で定められているような「健康で文化的な最低限度の生活」を営むことが出来るのでしょうか。 このような精神的な不健康さと文化的貧困が戦後経済的に豊かになっても、日本人の閉塞状況を生み出し、自殺者が年間3万人にも上るようなことになっているのではないかと私は考えている次第です。
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