設計者の想いの日々(ブログ)
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永井昭夫
建築設計事務所
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常識的な施工業者の選考基準

当設計事務所の原則的な施工業者の選考基準は以下の通りです。常識的な事項ばかりで甚だ恐縮ですが、意外と疎かにしている業者も多いので、敢えて、纏めてみることにいたしました。

①建設業の登録をしていること
建築一式工事1500万円以上の工事を請け負う場合は、建設業法第3条により、建設業者の登録が必要です。現在、一戸建ての住宅の平均価格は2000万を超えていますので、9割以上の一戸建て住宅の新築工事が、建設業登録業者の請け負うべき工事に該当します。
実際には、建設業登録を行わず、1500万以上の建築一式工事を請け負う業者は少なからず存在します。本来、このような業者との請負契約は違法なはずです。けれども、銀行融資の必要書類として、請負契約書を提出するにあたり、このような無登録業者との契約書でも、今まで銀行の融資が通ってきたのが現実です。
但し、2009年10月に施行された住宅瑕疵担保履行法では、住宅の用途に当たる建築物には、瑕疵担保責任を確実に履行するための資力確保措置として、保険加入などが義務づけられました。いわゆる瑕疵担保保険と言われるものですが、この保険には、建設業の無登録者が加入することはできません。

②工事見積書の明細がはっきりしていること
当設計事務所では、ハウスメーカー・ビルダーが行っている坪単価+オプション価格での見積は、一切認めていません。建設業法第20条では、工事の種別ごとに材料費・労務費・その他経費の内訳を明らかにしなければならないと規定されています。つまり、ハウスメーカー・ビルダーの行う不透明な坪単価見積は、建設業法に抵触しているということです。
工事の種別、つまり、基礎・大工・屋根・板金・外装・左官・タイル・内装・塗装・木製建具・金属建具・仮設工事・給排水・電気・空調工事などの種別に分類して、その工事毎に明細を出すような見積書以外は、当設計事務所では、検討に値しません。

③出来高以上の請求をしないこと
明細のはっきりした見積書に基づき、工事の出来高を超えるような請求は認めていません。ハウスメーカー・ビルダーなどが出来高の1/3にも満たぬ上棟時以前に、請負金額の7~9割もの請求をすることは決して珍しいことではありませんが、このような不当請求を当設計事務所では認めていません。上棟時以前に請負金額の大半を払い込み、その後、業者の倒産の憂き目にあった消費者は沢山おられます。

④今後も営業の継続が見込まれること
良好なメンテナンスを行うことで、建築物は長持ちします。
今後、事業の継続が危ぶまれる業者、あるいは数年後に後継者が存在いない業者では、良好な維持管理が期待できません。
ちなみに、建設業者の経営状況は、経営事項審査結果として、ネット上に公表されています。(全ての建設業者が経営事項審査を受けているわけではないです)

⑤過大な営業経費をかけず、堅実に会社を運営していること
過大な営業経費を負担するのは、最終的には消費者です。技術を奮うことよりも、販売を重視する会社では、コストパフォーマンスに優れた建物を提供することは、100%無理です。

⑥建築主の代理人としての設計者の意図を汲み取ってくれること
無断で図面を変更したりせず、設計者である工事監理者が是正指示を出した場合は、速やかにその指示に従うような社会性や常識を兼ね備えている。

⑦反社会的勢力がバックに存在していないこと
消費者に知られていないだけで、このような住宅会社は存在します。反社会的勢力の臭いを嗅ぎ取られないよう、イメージ戦略に長けた営業展開を行っている場合もあります。

以上、長々と書き連ねてきましたが、地域に根ざした良心的な工務店・建設会社であれば、全く問題のない事項ばかりです。ただ、派手な宣伝広告を出して営業活動を行う「○○ホーム」や「△△ハウス」と当設計事務所の姿勢とは相容れない部分が多いと思います。けれども、私自身、消費者の利益を保護し、法律を遵守するように努めている、ただ当たり前のことを実行しているに過ぎないのです。
カテゴリ:建築雑感 2011年1月7日(金)

新年のご挨拶

謹んで新年のお慶びを申し上げます。

昨年は格別の御厚情を賜り、厚く御礼を申し上げます。
本年も当事務所は、皆様にご満足頂けるサービスのご提供を心がけてまいる所存でございますので、昨年同様のご愛顧を賜わりますよう、
何卒宜しくお願い申し上げます。

新しい年が皆様にとって佳き年でありますようお祈り申し上げ、
年頭のご挨拶とさせて頂きます。

カテゴリ:お知らせ・ご挨拶 2011年1月1日(土)

省エネ・健康配慮の観点からの床暖房

火力・原子力発電所では、深夜のような電力消費の少ない時間帯も、多少稼働率を落としながらも、昼間に近い能力の稼動を続けています。
火力や原子力は一度稼動を止めてしまうと、次に発電を始めるまでにかなりの時間を要するだけでなく、発電機自体に負荷がかかり、発電機の寿命を縮めてしまいますし、出力を絞ったり増やしたりするのにも急にはできません。
そのために、電力需要の少ない、特に深夜などの時間帯でもかなりの量の無駄な発電を続けているのが現状です。
最も電力消費があがるのは真夏の時期で、ピーク時の午後3時と最も需要の少ない午前5時を比較すると、実に2倍近くの差が生じています。

そこで、電力会社は余剰能力の状態にある深夜の時間帯に、電力を使ってもらおうということで、深夜電力の割引サービス(通常の1/4)や、深夜から早朝に稼動する電気式給湯器(エコキュート)の普及に努めています。けれども、まだまだ深夜の時間帯では、発電所側の供給が過剰であるのが現実のようです。
深夜電力を使用して蓄熱するものとしては、エコキュートが代表的ですが、その他に「床暖房」があります。蓄熱材に、深夜から早朝に熱をに貯蔵して、24時間、床から熱を放出するシステムです。

この「床暖房」ですが、人間の体にとっては、とても理想的な暖房方式です。
人間の体温は、上半身が高く、下半身は低くなっています。人間の体でいちばん冷たいのが、足の小指です。「頭寒足熱」という言葉がありますが、これは、上半身と下半身の体温の差を、できるだけ小さくしようとすることです。上半身と下半身の体温の温度差が大きい状態が長く続くと血液の循環が悪くなり、特に高齢者にとっては、病気になりやすい状態となります。そういった状況を克服するために長年の知恵として編み出されたのが、炬燵(こたつ)と湯たんぽです。そのような知恵の延長上として、「床暖房」があるということです。

この「床暖房」ですが、ガスや灯油を熱源として温水を作って、管に温水を循環させて、床を暖める方式もありますが、このやり方は電気式と比較して、故障が多く、維持費がかかるので、現在、私としてはお勧めしていません。
また、「床暖房」の場合、床の表面温度は29℃以下が一般的です。それ以上は低温やけどの可能性があります。

人間の体にとっては、とても理想的である「床暖房」ですが、大きな欠点があります。それは初期費用(イニシャルコスト)がとてもかかるということです。「床暖房」の工事は、その設備を整えるだけでなく、耐熱対応の床材を使用しなければならず、その床材は通常のものと比較して、倍近い値段がかかります。この初期費用の高さによって、「床暖房」を断念せざるをえないことになった方々は非常に多いと思います。

そこで、省エネ対策の観点から、深夜蓄熱式の「床暖房」を普及率を上げ、昼間のエアコンの使用率を下げて、夜と昼の発電所の稼動の均衡を図るとともに、高齢化社会の到来に伴う高齢者への健康配慮の観点から、床暖房を普及させるためにも、太陽光発電が補助金の対象となるのと同様に、床暖房もその対象とする施策があってもいいのではないかと私は考えています。
カテゴリ:建築設備 2010年12月30日(木)

師走の茨城~平成22年

師走の茨城県各地の様子です。

水戸市大串貝塚ふれあい公園


水戸市森林公園


水戸市を流れる那珂川


水戸市街地・夜の様子


水戸市徳川博物館敷地


水戸市徳川博物館敷地内茶室・得月亭


水戸市大塚池。渡り鳥の群れが佇んでいます。


土浦市街地・ウィンターフェスティバルの様子


冬の大洗海岸


良いお正月をお迎えください。
カテゴリ:設計者の日常 2010年12月29日(水)

階段を考える

階段からの墜落事故で亡くなられる方は、一年間に約500人程度で推移しています。骨折等の怪我を含めれば、その数倍以上の方が事故に合われていると推測されます。交通事故で亡くなられる方が現在約5000人ですから、その1/10にも上る方々が階段での不慮の事故で亡くなられている計算になります。階段を上り下りする時間と、道路を歩行したり自動車を運転する時間を比較すれば、圧倒的に階段の上り下りする時間のほうが短いわけですから、階段という場所がいかに危険であることがおわかりになると思います。

このような背景があったせいか、建築基準法では、約10年前に、階段には手摺を義務づけるなどの対策が取られました。10年以上前の住宅の階段には手摺のない物件が非常に多いのですが、このような物件に対しても、建築基準法を厳格に運用して、補助金を出してでも、その対策に取り組むべきであると思います。

折角の機会ですから、理想的な階段をご説明したいと思います。階段の用語で、「蹴上げ」と「踏面」があります。「蹴上」とは階段一段あたりの高さで、「踏面」とは文字通り、足を踏む面の長さのことを指します。
パブリックな場所、例えば、駅などの階段は、「蹴上げ」が150mm、「踏面」が300mm程度です。
「踏面」+「蹴上げ」×2=600
これが理想的な階段と言われています。

靴を脱いで上る階段、例えば、住宅の階段は、「蹴上げ」が170~180mm、「踏面」が225~250㎜が一番上り下りしやすい階段です。また高齢者を配慮して、一呼吸置くことができる踊り場があると便利です。このような階段の場合の段数は17段上がり前後になります。
また、一直線状態にある、いわゆる鉄砲階段を避け、折り返し階段やL型階段で上ることが階段の鉄則です。

階段の有効幅については、一般的な住宅で75cm程度ですが、この幅にたった15cmを足した90cm幅とするだけで、階段の印象が余裕あるものにガラリと変わります。そして、大きな荷物の上げ下ろしでは、その威力を十二分に発揮することになります。
また45~50坪以上あるような住宅ですと、階段有効幅75cmの場合、非常に窮屈な印象の階段になります。60坪以上あるような住宅展示場で、よくそのような狭い階段が見受けられますが、そのような住宅会社は設計力が無い会社と断じて間違いはないと思います。
狭小な住宅では、その全てを望むことは難しいのかもしれませんが、限られた空間のなかで、バランスよく遣り繰りすることが設計者の腕の見せ所であります。
安全性と密接な関係のある階段を大事に設計することの重要性をこれからも自ら再認識しながら、「たかが階段ではない」と訴えていきたいと私は考えています。
カテゴリ:建築知識 2010年12月26日(日)
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