設計者の想いの日々(ブログ)
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永井昭夫
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設計者の想いの日々(ブログ)

すべて

これからも建築士としての職務を全うします

東日本大震災の発生以来、建築士としての職務に全力を尽くしてきて、昨日は、行政及び建築士会からの依頼で、建物の応急危険度判定士として、50ヶ所ほどの建物を調査してきましたが、まだ、応急措置すら、されていない危険な建物が多く散見されます。まだ余震が収まらず、二次被害が心配されますので、一刻も早く専門家に相談してください。当設計事務所も、微力ながら、被災者への支援体制を整えていきたいと考えています。
カテゴリ:東日本大震災・竜巻・災害 2011年3月17日(木)

設計事務所を考える

建築士という国家資格を背景に営業を行っているとはいえ、設計事務所と言えども、玉石混淆の世界です。ここで、問題が生じやすい「設計事務所」を僭越ながら、解説してみようと思います。

①お客様から提示された予算をはるかにオーバーした図面を平気で書く。
実現がほぼ不可能である図面を書いてもらったところで、それはただの紙切れです。コスト意識を全く持ち合わせない設計に付き合っても、時間の無駄ですし、仮に実現させようとしたところで、その後の生活設計に狂いが生じてしまいます。過剰なプレゼンをする設計事務所に、そのような傾向の設計が多いようです。コスト管理ができてこそ、「設計」が成り立ちます。また、工事監理まで引き受けてもらうことで、設計事務所の行った「設計」に責任を持たせることが必要です。

②設計事務所の所長は営業しか行わない。
設計事務所の所長が実務に携わらず、初期段階の営業のみ行い、その後は経験不足の所員が引き継ぐケースです。ただ、この場合、所長がその後も関われば安心というわけではなく、日頃、営業に専心しているため、所長自身、実務に疎くなっているケースも多々見られます。

③建設業者などからバックマージンをもらう。
特定の建設業者や商品を執拗に勧めてくる場合、バックマージンをもらっている可能性があります。このような場合、設計監理料が仮に安くても、必然的に工事費に上乗せされるうえ、設計事務所としての工事監理が適正に行われないことにもなります。

④違法建築を平気で行う。
ちょっとした違反ならいいだろうという姿勢が耐震偽装のような違法建築につながります。残念ながら、私が拠点に置く茨城県では、姉歯事件発覚後も違法建築が非常に多いですし、現実に私の事務所の元にも違法建築の依頼があります。当然、当事務所では、一切の違法建築の依頼をお断りしています。

⑤同じようなパターンの建物の設計が目に付く。
これが設計者の個性・持ち味と言われれば、そうなのかもしれませんが、単に設計者の引き出しが少ない場合が多いような気がします。悪い言葉で言えば、「馬鹿の一つ覚え」です。また、設計者の作風に固執するあまり、お客様の要望を引き出して実現していく作業が非常に下手です。

⑥単なるYesマンの設計者。
これでは、住宅メーカー・ビルダーの営業マンレベルです。設計者独自の考え方を無理に押し付けてくるのも迷惑な話ですが、その後、建物が完成して、生活し始めて、問題点が多く生じるのを未然に防ぐために、時には、建築主に苦言を呈することも必要です。

以上、キリが無いので、この辺でやめておきますが、私が見聞する限り、優れた設計者は、例外なく、バランス感覚に優れています。これを持ち合わせないと、「設計」や「工事監理」、そして、設計事務所の運営すら難しいと思います。
カテゴリ:建築雑感 2011年3月9日(水)

海千山千の住宅業界と一線を画す

住宅業界は嘘と偽装で充満した業界です。
消費者の陰で、「実勢坪単価から最低坪10万円を引いた坪単価で宣伝しなければ売れるわけがない」と豪語する経営者、「嘘つかなきゃ、営業なんて勤まるわけがない」とうそぶくトップセールス営業マンを、私自身、今まで多く見聞してきました。「生き馬の目を抜く」ような業界で生き残り、経営者が会社を存続させ利益を確保し、営業マンが生活のために歩合給を手にするためには、多少のモラルの欠如は大目にみて欲しいというのが彼らの本音でしょう。
このような海千山千と対峙する消費者は、彼らに対抗することができず、工事の出来高を大きく上回る前払い契約を余儀なくされているのが現実です。そして、標準仕様が外れるような工事を望めば、法外なオプション費用が発生し、建築士の資格ももたぬ営業マンが会社のマニュアルに沿って間取りの設計を行うケースも多いので、必然的に型にはまった建物になりやすく、メーカー側からすれば、工事がしやすく利益をあげやすい建物を量産することで、利益至上主義を謳歌しています。

対して、当設計事務所のスタンスは、「決して嘘をつかない」ということです。
嘘をつけば、嘘を隠すために更に嘘をつきます。いわゆる嘘の上塗りというものです。だいたい、お客様に嘘をついて良好なコミュニケーションが形成されるわけがありません。そして、往々にして、嘘は嘘で返されます。
当設計事務所は美辞麗句で飾った営業トークをせずに、建築士の立場で、是々非々を明確にしていきたいと考えています。
また、当設計事務所のもう一つのスタンスとして、「お客様の利益を優先して考える」ということがあります。つまり、お客様の意思を汲み取り、設計者がお客様の代理者としての役割を果たし、海千山千の住宅業界からお客様を守るということです。
当設計事務所は、いわゆる住宅・建築業界に生息しているとは思っていません。建築主に奉仕するサービス業に従事していると考えています。海千山千の住宅・建築業界とは、一線を画したいのです。

これらのスタンスを遵守する大前提があって初めて、最良の設計・工事監理業務が遂行できるのではないかと私は考えています。
カテゴリ:住宅・建築業界 2011年3月6日(日)

建築は仁術

もう20年前の頃のことです。当時、私が大きな工事現場のいちばん下っ端の現場監督をしていた頃のことです。現場監督といっても、右も左もわからない名前ばかりの現場監督でした。何もわからないのですから、当然、現場の段取りもまともにできず、上司と何十人もいる職方さんの間に挟まれて、悪戦苦闘をしていました。その頃、とある職方さんに言われた言葉をふと急に思い出しました。
「急にやってくれと言われてすぐ行う仕事と、前もってわかっていて行う仕事では、同じようでいて、全く違うんだ。」
もちろん、現場のなかでのやり取りですから、こんな上品な言葉遣いはしていませんでしたが、このようなニュアンスのことを言われました。
このことは、現在の建築設計という私の仕事にも当てはまるような気がいたします…。

特に、プランニングを行うに際して、お客様の要望を聞いて即座に取りかかってすぐに結果を出そうとする仕事と、お客様の要望を聞いて、頭の中で寝かしながら、構想を練って行う仕事では、やはり違うのです。率直に申し上げると、即座にプランニングに取り掛かって、すぐに結果を出そうとしたところで、なかなか上手くいくことは少なく、一進一退を繰り返し、お客様と設計者が悪戦苦闘の泥沼にはまり、これから長い期間生活していく拠点を作るという視点が双方に欠けてくることが往々にしてあります。
こういう状態に陥るのであれば、「急がば回れ」ではありませんが、お客様の要望の背景にある「人となり」や生活感覚・美意識を設計者が感じ取り、もし、それが設計者自身でわからないのであれば、納得してわかる時が来るまで待つ、つまり、時が熟する時が来るのを待ったほうがいいのではないかと私は思います。
もちろん、時間をかければ、いいものができるとは限りません。短い期間でも、優れた結果を出す設計者ももちろんいますが、それは、必ず、それなりのプロセスを経ています。

これは極端な例ですが、ある設計者が初めて会ったお客様に言ったそうです。
「私は貴方と今日初めて会ったから、貴方のことをよく知りません。だから、これから半年貴方を知るために一緒に遊びたいのです。」
こういうヒアリング能力や感受性に欠けている設計者も人迷惑な話なのですが、この設計者を100%否定し切れない側面があるのも事実です。

「医は仁術なり」という言葉があります。「医」は技術を奮うより以前に、「人を思う心」が根幹にあり大事であると、私なりに解釈していますが、このことは「医」の分野に限らず、どの分野でも例外ないことであって、もちろん「建築」の世界にも当てはまることだと思います。
「建築」はもちろん技術の世界ですが、その大前提に「仁術」があることを忘れてはならないのです。

話がやや逸れてしまった部分もありますが、今日、私が言いたかったことは、百人百様であるお客様の特性を設計者として吸収して、時には、設計者の頭のなかに寝かして、発酵させる期間も必要ではないかということです。お客様の立場に立てば、設計者とのやり取りのなかで、お客様それぞれの考えを整理して決断していく期間が必要であるということだと思います。
設計・工事監理する期間は短いかもしれませんが、その期間内には、建築主の濃密なドラマが凝縮されているということを、設計者の一人として、決して忘れてはならないと考える次第です。
カテゴリ:当設計事務所の姿勢・信条 2011年3月5日(土)

2月の茨城~平成23年

茨城県地方、2月は観梅のシーズンで、春の訪れを告げようとしていますが、厳しい寒さを感じることも、しばしです。
茨城県小美玉市・深夜の雪景色。


水戸市の偕楽園では2月20日から「梅まつり」が開催されています。2月末時点で、梅の開花状況は6分咲きといったところです。








梅まつり期間中は偕楽園で、毎週日曜日、野点茶会が催されています。
カテゴリ:設計者の日常 2011年2月27日(日)
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