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設計者の想いの日々(ブログ)地震による建物や床の傾き
今回の東日本大震災により、茨城県でも、建物や床が傾斜しているケースが相次いでいます。地盤の液状化現象や建物の構造体が損傷することで、そのような症状が現れるのですが、どの程度までの傾きであれば、建物が安全で、そこで生活する人にとって安心なのかを詳しく説明してみようと思います。
まず、建物を新築する際、その傾きの上限値は3/1000程度です。このぐらいであれば、施工誤差の範囲内ということですが、これでも3mで、9mmの誤差になります。あくまで施工にあたっての部分的な上限値という捉え方がいいと思います。 ただ、3/1000を超えれば、瑕疵になるかというと、そういうわけではなく、法的には6/1000を超える場合、瑕疵としての責任を追及できるというのが通例です。ちなみに6/1000の床の傾きを超えると、ゴルフボールが低い方に転がっていきます。10/1000前後の傾きで、建具の開閉に不具合が生じ、生活に支障を来たし始めます。そして、15/1000を超えるあたりから、人間の身体の平衡感覚が狂い、めまいなどの症状が生じ始めます。この辺になると、もう長期間の生活は難しい状況になります。建物の外見上、15/1000程度の傾きでは、ほとんどの方が、よく凝視しないと気づきませんが、一旦、内部に入れば、その床の傾斜に驚愕します。建物の安全性については、直ちに倒壊するものではありませんが、大きな余震等には注意する必要があります。50/1000を超えてくると 、いつ倒壊しても不思議ではありません。絶対に立ち入り禁止です。罹災証明の申請を行えば、「全壊」扱いになります。 いずれにせよ、床でゴルフボールが簡単に転がっていったり、建具の開閉に複数箇所で不具合が生じている場合は、その原因を探るために、なるべく早い時期に、専門家に相談する必要があります。
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