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設計者の想いの日々(ブログ)無限の世界に耐え得ること
家造り、あるいは、広義の意味での「建築」にしても、答えは無限にあります。もちろん、諸条件・価値観・美意識・予算などの制約はありますが、それでも、答えは無限です。
日本の教育の、理系・文系という大きな括りのなかで、「建築」は理系の部類に入り、「建築」に携わる者、特に建築士は、理系的素養を要求されます。理系的な考え方の特徴として、答えを限定的に考える、極端に言うと、一つにしたがる傾向にあります。「1+1=2」の世界です。性格上、答えが無限にある世界に耐えることができないわけです。 その傾向は、「建築」に携わる者でも、特に若年層に顕著で、例えば、学校で、この先生は、このように言ったけれど、あの先生は違うことを言ってるのを許容できないのです。ある程度の経験を経れば、どちらの先生の言ってることも正解なのはわかるはずなのですが、どちらかに決め付けてしまって、さっさと混沌の世界から抜け出したがる傾向は、文系の学生より、理系の学生のほうが、はるかに強いと言えます。 本来、このような性格の者は、無限で混沌としている「建築」の世界には向いておらず、後年、様々な実務経験を経て、矯正されていくような柔軟性を持ち合わせていればいいのですが、必ずしもそうではないのが現実です。ここに「住宅・建築業界」の悲劇があります。 無限に耐え切れない性格の者が「建築」に携わり、自らの引き出しを広げようとする努力を怠り、「住宅・建築業界」の一翼を担った結果、工業的・画一的建築物が氾濫し、日本の伝統文化を破壊する遠因となっているのは、否めない事実です。
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