設計者の想いの日々(ブログ)
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2011年1月12日(水)

住宅の平均価格・坪単価

一戸建ての注文住宅はいったい、どのくらい費用がかかるのかという質問をよく受けます。新聞の折込広告では、建物本体価格が坪単価25万8千円であるとか、38万円であるかのような表示がよくされています。このような折込広告の影響もあってか、坪単価30万~40万×床面積40坪=1200万~1600万、余裕を見て、1000万台後半もあれば家は建つと思っている方々が少なからず、おられるようです。そこで、一戸建ての注文住宅の平均価格や坪単価について、今日はご説明したいと思います。

まず平成10年度の資料です。この頃は住宅金融公庫の融資が全盛でした。消費税が3%から5%に引き上げられた直後の頃で、バブル崩壊の余波もあり、景気は良くありませんでした。
平成10年度の住宅金融公庫融資の住宅で、木造軸組工法の全国平均総工事費は2,417万円、平均延床面積141.24/m2(42.6坪)です。 プレハブの平均総工事費は2,713万円、ツーバイフォーが2,512万円です。
また、外構工事費などを除いた建物本体の工事費の単価は、木造軸組で171千円/m2(566千円/坪)、プレハブ188千円/m2(622千円/坪)、ツーバイフォー184千円/m2(609千円/坪)となっています。但し、この坪単価は、地域により、ばらつきがあります。
http://www.jawic.or.jp/tech/qanda/016.php

今度は平成16年度の資料です。
全住宅の平均総工事費が2409万円、平均延床面積が135㎡(40.7坪)です。木造軸組工法の平均総工事費は2243万円、プレハブ工法は2745万円、工事費単価は全住宅平均で179422円/m2(594317円/坪)、木造軸組工法で167094円/m2(553482円/坪)、プレハブ工法で204149円/m2(676223円/坪)となっています。
http://www.mlit.go.jp/toukeijouhou/toukei06/geturei/10/geturei06-10t.pdf

以上、上記の結果をまとめてみると、建物の平均延床面積が40坪を若干上回るくらい、平均坪単価が55~60万程度、建物の平均総工事費が2000万台前半から2500万前後であることがわかります。
プレハブ工法が木造軸組工法と比較して高いのは、粗利幅の大きい大手ハウスメーカーが採用している工法であることに起因していると思います。
一戸建ての住宅は平均でどのくらい費用がかかるのかという一般的な質問を受けたとき、私は、平均実勢坪単価が55万前後、建物の延床面積が平均40坪強程度なので2000万台前半が茨城の相場ではないかと答えています。(これに外構工事が上乗せされます)
但し、平均実勢坪単価55万で、和風の化粧の家や、自然素材を随所に利用した建物が提供できる工務店もあれば、坪60万以上出しても、外装はサイディング、内装は全てビニールクロスであるハウスメーカーがあったりで、その内容は様々です。
地域密着型であまり販売経費をかけず安価であるけれども、センスには乏しい工務店であっても、お客様の意向を汲み取るのが上手で、かつ、コスト管理のできる設計事務所を施主の代理者として利用することによって、建物の内容は充実できますし、過大な販売経費をかける会社で建てれば、専門家から見れば、コストパフォーマンスに疑問が残る結果になりますので、細心の注意が必要だと思います。
カテゴリ:建築知識 2011年1月12日(水)
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