設計者の想いの日々(ブログ)
カレンダー
<< 2011年1月 >>
2627282930311
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
303112345
カテゴリ
すべて(435)当設計事務所の姿勢・信条(31)建築雑感(24)建築知識(22)建築構造・性能(17)建築文化・伝統(27)建築素材・材料(29)住宅・建築業界(18)建築設備(5)設計者の日常(33)工事監理・現場紹介(12)お知らせ・ご挨拶(23)建築士会での活動・広報(18)東日本大震災・竜巻・災害(21)東北・北海道の町並み・建築探訪(11)栃木県の町並み・建築探訪(14)関東の町並み・建築探訪(14)甲信越の町並み・建築探訪(1)京都の町並み・建築探訪(21)西日本の町並み・建築探訪(4)茨城県北の町並み・建築・施設探訪・自然・文化(13)茨城県央の町並み・建築・施設探訪・自然・文化(30)茨城県西の町並み・建築・施設探訪・自然・文化(8)茨城県南の町並み・建築・施設探訪・自然・文化(34)茨城県鹿行の町並み・建築・施設探訪・自然・文化(5)
最新記事
アーカイブ
永井昭夫
建築設計事務所
mail@nagai-sekkei.com
茨城県を中心として
活動している
設計事務所です。
対応エリア

水戸・ひたちなか・那珂・
日立・常陸大宮・城里・
笠間・鉾田・小美玉・
石岡・土浦・つくば・
筑西・古河・牛久・
龍ヶ崎・取手・守谷
その他地域もご相談下さい。

設計者の想いの日々(ブログ)

2011年1月22日(土)

内装材としてのクロスを考える

壁や天井の仕上げとして、現在、最も使用されているビニールクロスは、英語の「cloth」が由来です。「cloth」は布や織物を意味していて、ビニール系の意味は含まれていません。つまり、元々、壁や天井に使用されるクロスは、布系統のものが使用されていたということです。そのようなクロスは、「布クロス」と呼ばれていて、麻や綿、レーヨン製のものです。安価なビニールクロスが主流となった現在、調湿性のある自然に近い素材として、もっと見直されてもいい材料だと思います。価格としては、一般的なビニールクロスと比較して、㎡あたり500円程度の差額、すなわち、ビニールクロスの1.5倍程度が一般的な相場です。ビニールクロスの3~4倍する珪藻土よりは、だいぶお手頃な材料です。
欠点としては、ビニールクロスと比較して、素材が布なので、掃除がしにくいこと、多彩なビニールクロスの品揃えに比べると、意匠性の幅が狭まることが挙げられます。
ただ、調湿性があり、飽きのこないその素材の利点は捨てがたいものがあり、設計者としても、もっと普及に努めてもいいのではないかと考えています。

調湿性のあるこの布クロスに、その下地である石膏ボードを、珪藻土入りの石膏ボードに変えることで、大幅に調湿機能を上昇させる方法もあります。
この珪藻土入りの石膏ボードですが、通常の石膏ボードの倍の値段がします。けれども、通常の石膏ボードは一枚あたりの原価が300~400円程度ですから、家一軒分、約300枚分でも、10万円程度の差額で済みます。
この調湿性のある下地材に、布クロスのような調湿性のある材料で、家一軒分仕上げると、平均的に、約30万前後の差額となります。(この差額は原価です。ハウスメーカーでは、オプション費用としての請求が、その倍以上となる可能性がございます)
但し、この珪藻土入り石膏ボードも、仕上げ材がビニールクロスのような樹脂系の材料では、その効果を発揮することはできませんので、布クロスや和紙のような調湿性のある材料で仕上げる必要があります。

最後に、このクロスの工事ですが、大工や内装業者の作る下地によって、だいぶ左右されます。つまり、大工が作る下地が下手糞なら、クロス屋さんがいくら上手くても、クロス貼りの出来が悪くなるということです。クロス工事についてのクレームは非常に多いものですが、だいたいは下地に起因しています。
以上、長くなりますので、クロスや下地については、別の機会に、別の視点で、お話したいと思います。
カテゴリ:建築素材・材料 2011年1月22日(土)
近い日にかかれた記事
1月の茨城~平成23年 2011年1月29日(土)
建築に関する確認の特例 2011年1月26日(水)
内装材としてのクロスを考える 2011年1月22日(土)
工事監理の重要性 2011年1月21日(金)
Copyright (C) 2024 永井昭夫建築設計事務所 All Rights Reserved.