設計者の想いの日々(ブログ)
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永井昭夫
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建築素材・材料

未晒し蜜ロウワックス

             
「未晒し蜜ロウワックス」は、檜の産地で知られる三重県尾鷲にある「小川耕太郎&百合子社」の製品です。
無垢材の床や腰壁にアクリルやウレタンの塗装をかけてある製品も多く存在しますが、どうしても無垢材の素材感が損なわれ、無垢材らしさが半減してしまいます、
そこで、よく使用されるのが、この「未晒し蜜ロウワックス」です。

「未晒し蜜ロウワックス」は、昔から木の艶出し、番傘の防水に使われていた「一番絞りエゴマ油」と、紀州熊野を中心に採られた国産の「蜜ロウ」の二つの安全な天然素材だけから出来ています。「蜜ロウ」とは、ミツバチ(働きバチ)の巣を構成する蝋を精製したものをいいます。

無塗装のフローリングや腰壁に、この「未晒し蜜ロウワックス」を塗布すると、無垢材の素材感を損なうことなく、逆に、無垢材の良さを引き出し、防水性や防汚性を向上させます。
材料費も100円/㎡程度と安価です。

但し、化学製品を全く使用せず、天然素材だけで作られた製品ですから、蜜ロウワックスの持ちは長くなく、1~2年程度に一回は、再度ワックスをかけてメンテナンスをする必要があります。ワックスのかけ方については、指定の方法がありますので、下記のHPをご参照下さい。

「未晒し蜜ロウワックス」はジョイフル本田やジョイフル山新などのホームセンターなどで販売しています。
折角、無垢材を使用するのであれば、ウレタン塗装品のものではなく、無塗装の無垢材に、「未晒し蜜ロウワックス」を塗布することを、当設計事務所は推奨します。

「小川耕太郎百合子社」の「未晒し蜜蝋ワックス」のHP

「未晒し蜜ロウワックス」を檜のフローリングと腰壁に塗布した例
カテゴリ:建築素材・材料 2012年10月26日(金)

内装材としてのクロスを考える

壁や天井の仕上げとして、現在、最も使用されているビニールクロスは、英語の「cloth」が由来です。「cloth」は布や織物を意味していて、ビニール系の意味は含まれていません。つまり、元々、壁や天井に使用されるクロスは、布系統のものが使用されていたということです。そのようなクロスは、「布クロス」と呼ばれていて、麻や綿、レーヨン製のものです。安価なビニールクロスが主流となった現在、調湿性のある自然に近い素材として、もっと見直されてもいい材料だと思います。価格としては、一般的なビニールクロスと比較して、㎡あたり500円程度の差額、すなわち、ビニールクロスの1.5倍程度が一般的な相場です。ビニールクロスの3~4倍する珪藻土よりは、だいぶお手頃な材料です。
欠点としては、ビニールクロスと比較して、素材が布なので、掃除がしにくいこと、多彩なビニールクロスの品揃えに比べると、意匠性の幅が狭まることが挙げられます。
ただ、調湿性があり、飽きのこないその素材の利点は捨てがたいものがあり、設計者としても、もっと普及に努めてもいいのではないかと考えています。

調湿性のあるこの布クロスに、その下地である石膏ボードを、珪藻土入りの石膏ボードに変えることで、大幅に調湿機能を上昇させる方法もあります。
この珪藻土入りの石膏ボードですが、通常の石膏ボードの倍の値段がします。けれども、通常の石膏ボードは一枚あたりの原価が300~400円程度ですから、家一軒分、約300枚分でも、10万円程度の差額で済みます。
この調湿性のある下地材に、布クロスのような調湿性のある材料で、家一軒分仕上げると、平均的に、約30万前後の差額となります。(この差額は原価です。ハウスメーカーでは、オプション費用としての請求が、その倍以上となる可能性がございます)
但し、この珪藻土入り石膏ボードも、仕上げ材がビニールクロスのような樹脂系の材料では、その効果を発揮することはできませんので、布クロスや和紙のような調湿性のある材料で仕上げる必要があります。

最後に、このクロスの工事ですが、大工や内装業者の作る下地によって、だいぶ左右されます。つまり、大工が作る下地が下手糞なら、クロス屋さんがいくら上手くても、クロス貼りの出来が悪くなるということです。クロス工事についてのクレームは非常に多いものですが、だいたいは下地に起因しています。
以上、長くなりますので、クロスや下地については、別の機会に、別の視点で、お話したいと思います。
カテゴリ:建築素材・材料 2011年1月22日(土)

日本の床の文化として畳を見直す

1300年以上前から存在する「畳」は、湿度が高く、四季の変化が折々である日本の風土のなかで、現在まで伝承されてきた日本独自の床の文化です。「畳」は適度な弾力性、冬でも冷たくならない高い保温性、イグサの持つ雑菌を抑える優れた抗菌作用、室内の調湿作用などの多機能性を兼ね備え、自然素材としてもっと脚光を浴びてよいものであると設計者として思います。
そして、「畳」は、トイレ・キッチン・洗面所などの水回り以外のどこに使用しても良い材料です。例えば、玄関正面のホールに「畳」を敷くことで、凛とした空間を造ることができます。廊下に使用すれば、足音を消すことができますし、リビングの板の間にカーペットを敷き、座ってくつろぐのであれば、多機能性を兼ね備えた「畳」のほうが利点は多いような気がします。

しかし、このような長い歴史のなかで培われた「畳」の文化は、現在、お世辞にも大事にされているとは言えず、「畳」の空間は減少の一途を辿っています。
そして、「畳」の厚さと云えば、その機能性を保つために、55~60㎜が常識ですが、ハウスメーカー・ビルダーでは、営業経費増大・工事費削減傾向により、12~30㎜の厚さの畳を標準仕様とするところも多いようです。その程度の厚さでは「畳」ではなく、単なる「ござ」と言っていいでしょう。そのような薄い畳では、畳が反り返ってしまい、下地に両面テープを貼って、お茶を濁すようなことが平気で行われているのが現状です。家造りが貧相になりつつある現われと思わざるをえません。

昔ながら「畳」の内部は、国産の藁を使用し、藁を1年以上自然乾燥させて、藁を発酵させ、その発酵熱で、虫や虫の卵を退治します。1年以上かけて、じっくり乾燥させることで、藁の弾力性が発揮されるわけです。
現在はいわゆる建材床、ポリスチレンフォームとボードで出来た畳床が主流ですが、茶道を行うような茶室では、正座を長い間しても足が痺れない弾力性のある稲藁で作った畳を使用しています。現在主流の建材床と昔ながらの稲藁床の価格差は一帖あたり約2000円であり、耐久性も稲藁床のほうがありますので、自然素材にこだわるのであれば、稲藁床をお勧めします。但し、建材床と比較すれば、稲藁床はダニが発生しやすいとは思います。

次に、畳表についてですが、現代風の和室にも調和するなどの理由で、半畳タイプで縁がない、いわゆる「琉球畳」が最近人気があります。(下記写真参照)値段は半畳で13000円程度で、一般的な畳の倍以上の値段がします。縁なしの畳の場合、畳の端部が痛みやすいので、用いられるイグサは磨耗性が強いものを使用します。この縁なし畳は、耐久性がありって強靭なので、使用頻度の高い玄関ホール・廊下にも適していると思います。琉球畳といっても、大分産が多いようで、「目積表」という名称も使われます。
この畳表ですが、現在安価な中国産が大量に輸入されています。農薬や畳を染める安易な着色料を大量に使用することで手間を省いており、そのような畳は、人体に害を及ぼしかねませんので、いくら安価と言えども、使用することはお勧めできません。イグサ本来の性質を生かすためには、化学着色料を使用せず、「天然染土」というもので、「泥染め」をすることが必要です。
ちなみに、畳表の値段はピンきりで、現在80%が中国産です。お客様に指定がなく、ハウスメーカー・ビルダーなどの業者任せにすると、質の悪い輸入物の畳表という場合がほとんどですので、ご注意ください。
また、この畳表ですが、5年程度で裏返しすることで、また新しい状態で使用できて、イグサの香りを復活させることができます。フローリングと違って、容易に取替えが利くことも畳の利点だと思います。

戦後、日本家屋の文化が破壊され、住宅が「文化」から、もはや単なる「商品」に成り下がりつつある現在、1300年以上続く「畳」という日本の床の文化を見直すことは、日本の住宅の文化を見直すことではないかと、設計者の一人として、私は考えています。

カテゴリ:建築素材・材料 2010年11月10日(水)

自然素材で塗装する

珪藻土や漆喰のような左官で仕上げる塗り壁のコストはビニールクロス貼の約3~4倍です。建築物全体のコストを考慮すると、全ての部屋を珪藻土や無垢材などのような自然素材で仕上げるわけにもいかず、安価なビニールクロス貼に頼らざるをえない側面があるのが現実だと思います。
そこで、今回は珪藻土とビニールクロス貼の中間の価格に位置する自然素材の塗装について取り上げてみます。珪藻土などのような左官仕上げの場合、コテで丹念に仕上げなければならないので、その分、コストが上昇してしまうのですが、塗装の場合、ローラーなどで仕上げることができるので、作業効率が割合スムーズで、左官仕上げと比較するとコストダウンが可能になります。

①タナクリーム
「土佐漆喰」の老舗の製造元である高知の田中石灰工業の製品です。成分は日本伝統の漆喰(しっくい)壁と同じ消石灰で、ローラーで塗ることができます。漆喰壁のイメージですと、白壁ですが、顔料を混ぜることで着色も自由に行うことができます。
http://www.tanacream.com/

②ほたての貝殻・もみ殻のリサイクル品
ほたての貝殻やもみ殻の素材は珪藻土と同様に多孔質で、調湿作用があります。約10年前、私が設計事務所勤務時代、某コミュニティセンターで大量に使用したことがありますが、自然の優しい色合いでした。ローラーで塗ることができます。
「チャフウォール」http://www.j-chaff.com/
「シェルコート」http://www.ecopro.jp/eco/shell.html

③自然粘土塗料(クレイペイント)
こちらは環境に厳しい国のドイツで生まれた製品です。文字通り、自然の粘土をベースにした塗料で、欧州の「EUエコラベル」の認定を受けています。既存のビニールクロスの上からも塗ることができます。こちらもローラーで塗ることができます。色も比較的自由に選択できます。
http://www.jo-mon.co.jp/
カテゴリ:建築素材・材料 2010年11月4日(木)

複層ガラス(ペアガラス)

複層ガラスは「単板ガラス+中空層+単板ガラス」で構成されていて、いわゆる二重ガラス、ペアガラスと呼ばれる結露しにくい断熱性に優れたガラスで、2000年の頃は、まだ値段が高く、新築の建物で5%程度の普及率でしたが、時代の要請による省エネの高まりに伴い、この10年で一気に普及しました。

ペアガラスは単板ガラスと比較して、確かに断熱性に優れておりますが、遮音性にも優れていると誤解されている側面もあるようです。
ペアガラスと単板ガラスを比較した場合、中低音域では共鳴現象により、ペアガラスのほうが遮音性に劣ります。
一級建築士の学科試験にも、この手の問題が出題されている位なので、年配の一級建築士や大手ハウスメーカーの営業や監督、お施主さんでも勘違いしている方々が多く見受けられるのもやむをえないかと思います。
但し、ペアガラスでもある程度の遮音性を持たせることは可能で、異なった厚みのガラスの組み合わせをすることで共鳴現象を抑えることができて、この場合、外部側のガラスを厚めのガラスにしたほうが効果的です。あるいはアルミ+樹脂の複合サッシとした場合も共鳴現象を抑えることができます。つまり、異種の組み合わせをすることで共鳴現象を抑えていくわけです。また、最近では遮音用のペアガラスも発売されているようです。
ただ本格的にサッシ部で遮音を考慮するのであれば、ペアサッシ、つまりサッシを二重化することがいちばん効果的です。もちろん、断熱性もペアガラスと比較して飛躍的に向上します。ちなみに、既存の建物に内窓を取り付ける工事、つまり二重サッシとするための工事は住宅エコポイントの対象となります。
カテゴリ:建築素材・材料 2010年10月3日(日)
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