設計者の想いの日々(ブログ)
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永井昭夫
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建築知識

地盤調査

今回は主に一般的な木造住宅の地質調査についてお話してみたいと思います。
今から15~20年以上前、木造住宅で地質調査を行っていたのは一部のハウスメーカーくらいでした。精度にやや難がありますが、安価なスウェーデンサウンディング試験が採用され、軟弱地盤であるかどうかの確認をしていました。
当時は基礎も逆T字型(凸型)の形状の布基礎が主流で、現在の主流の基礎である「べた基礎」は軟弱地盤の場合のみ採用されていました。「べた基礎」とは土間に全て鉄筋を組んでコンクリートを打設して基礎を立ち上げる工法です。
スウェーデンサウンディング試験も3種類ありまして、手動、半手動、全自動型があります。15~20年前の主流は手動若しくは半自動型で、簡単に言えば、鉄の細い棒を地盤に刺して、重りを載せて、25cm沈下するのに鉄の棒が何回転するかを調査員が直接測定する地道な作業でした。調査の方も地質業界のプロで地質に関する知識も豊富でした。
当時の地質調査の結果は、盛土層が厚かったり、川沿いにある土地以外の場合は大半が3t/㎡以上で、現在からすれば簡易的な布基礎でも支障が無く、悪い結果で出たとしても2t/㎡でべた基礎を採用すれば問題がありませんでした。
べた基礎以外の地盤改良、杭工事はあまりなかったと記憶しています。

翻って、現在の地質調査の現状を見てみますと、瑕疵担保保険の影響もありまして、一般的な木造住宅の場合でも地盤調査を行っているケースが多いようです。建替の場合で、今まで既存の建物が何十年も建っていて、沈下の様子がなく、周りに川や水路がない場合は設計者の判断により地盤調査を省くことができますが、分譲地のような場合は今まで建物が建っていた実績がありませんので、地盤調査が必須となります。そこで安価なスウェーデンサウンディング試験の登場となるわけですが、15~20年前と違う点は全自動型の機械が普及してきたことです。この機械を使えば、地質の素人でも調査ができるようで、この調査報告に対する費用は原価で3~4万程度です。
全自動型が普及したことで、地盤調査の結果もだいぶ変わってきました。一般的な住宅地であっても、べた基礎では追いつかず、地盤改良や杭工事の必要有りの調査結果が半分前後を占めるようになったのです。
同じ分譲地内でも、お隣さんは地盤改良がいらないのに、こちらでは地盤改良が必要なケースがあったりで、調査会社によって結果も違うようで、私もそんな状況を多く見聞するうちに全自動型という機械は安全側に過剰に反応する機械ではないかという疑念を持つに至りました。
また調査報告書をよく読みますと、25cm程度少しでも悪い層が1箇所でもあると、地盤改良の必要有りの結果を出しているようです。
これも構造設計や地質調査の専門家の立場の方に詳しく聞けば、地盤とは点でなく面で受けるもので、25cm毎の調査結果の平均値を採用すれば問題なく、25cm一箇所少し悪い層があったとしても何ら支障はないとのことです。
またスウェーデンサウンディング試験の費用が原価で3~4万というのも、あまりにも安価で、2人で調査して移動時間込で半日かかって、さらに地質調査報告書を纏めるとなると、絶対に合わない金額だと思います。ただ調査会社が地盤改良工事を請け負えば、とても割が合うことになります。私が見聞するに調査会社が地盤改良を請け負うケースが非常に多いです。

これは私のケースですが、同じ現場で、調査会社を2社依頼したことがあります。一社にスェーデンサウンディング試験を依頼し、地盤改良工事が必要な旨の報告書が私の手元に上がってきました。またその会社は地盤改良工事も請け負っており、見積をお願いしたところ、100万前後の数字が出ました。
そこで、私はスウェーデンサウンディング試験より精度の高い標準貫入試験を地質調査を専門とする会社にお願いしました。標準貫入試験とはボーリング調査とも呼ばれ、大規模な建物の基礎を決定するのに採用されるものです。その調査は地質層の実際の土を採取できるので、精度にかなり期待ができます。その結果は非常に良好な地盤で、地盤改良の必要は全くありませんでした。調査費用にややお金がかかってしまいましたが、100万の地盤改良に比べれば、だいぶ安く上がりました。

その昔、住宅の基礎は玉石でした。それでも何百年と建っていた家はいくらでもあったわけです。
基礎に過剰に費用をかけるのはある意味結構なことではありますが、何ごともバランスが必要でして、他の費用を削ってまでも、過剰な工事をする必要はないのではないかと私は考えます。
カテゴリ:建築知識 2010年6月6日(日)

坪単価

ここで世間でよく言われている坪単価について、私なりに纏めてみたいと思います。
まず、建築基準法の「延床面積」、いわゆる確認申請提出時の床面積の算定についてからご説明してみます。
「延床面積」とは内部的用途に使用される部分の面積でして、いわゆる外部の面積、例えば、一般的なバルコニー、玄関前などのポーチ(壁や柱型等で囲まれた庇のある部分)は「延床面積」には含まれません。車庫は内部的用途になり、原則的には「延床面積」に含まれます。この「延床面積」はいわゆる坪単価の算定の根拠としては使用されません。

では坪単価の算定のために使用される面積は何かというと、「施工面積」とハウスメーカー等では呼んでいます。この施工面積の算定方法は各社が自由に決めているものであって、特に決まり事はありませんが、「延床面積」に入ってこない部分がここで計上されてきます。
吹きさらしの屋根なしバルコニーは面積の1/2を施工面積とする会社、バルコニー面積そのまま施工面積とする会社等、対応はまちまちです。
また、1Fの床から2Fの天井までの吹抜の空間は建築基準法上は1Fの床面積のみですが、空間が倍になるということで、「施工面積」では1Fの床面積の倍になる場合が多いです。玄関前のポーチ等外部はそのまま「施工面積」になります。
このようにして、「延床面積」と「施工面積」の開きが大きくなり、蓋を開けてびっくりというケースもよく見受けられます。

では坪単価に「施工面積」を掛け算すれば、建物の価格が算出できるかというと、そうではありません。ローコスト住宅会社等がよく使用する手法として、本体価格に対する諸経費15%前後というものが存在します。つまり坪単価30万で謳っていたとしても、自動的に34.5万前後かかるということです。それ以外の名称として、安全対策費、仮設費、設計費、申請費、外部給排水工事などが加算されて、どんなに安いローコストメーカーでも坪40万前後に納まるというのが相場のようです。この段階になって初めて、お客様ご希望の「オプション」が追加されていきます。

住宅展示公園に出展しているような大手・中堅ハウスメーカーは本体価格の15%諸経費という算出の仕方はあまりしないようですが、住宅展示公園に対する出展料と電気代だけでも年間1000万かかりますので、最低でも坪60万前後の価格がかかっているようです。
10年以上前ですが、私がハウスメーカー勤務時の最終的な平均坪単価は70万以上はかかっていました(東京・神奈川地区)。とにかく営業経費、人件費、設備投資費が莫大でしたから、やむをえない数字なのかもしれません。

では、設計事務所+工務店(建設会社)の坪単価の私なりの実績は、専用住宅で言えば、施工面積ベースで、坪45万~100万前後と言ったところでしょうか。
完全ローコストのご依頼はあまりありませんが、あらゆる価格層のお客様からのオーダーメイドですので、どうしてもバラつきは出てきます。
大きな事務所や倉庫となると、坪単価はかなり落ちてきます。飲食店は設備費がかなりかかりますので、住宅よりずっと割高です。
ただ、設計事務所+工務店(建設会社)では、いわゆる「坪単価」も「施工面積」の概念もあまりありません。実際の工事にいくらかかるかということです。
基礎・大工・屋根・板金・外壁・内装・電気・給排水・空調その他工事にいくらかかって、設計監理料が私の場合、工事費に対する1割以下ということです。明朗会計ですから、どこをどのように落とせば価格が落ちるか、私は私なりにわかります。

どのような工事費算出方法がお客様にとってベストなのかはお客様次第な面もありますし、これについてはまた別の議論にしたいと考えています。
以上、駆け足でお話しましたが、わかりにくい点がございましたら、メール等でお問い合わせください。
カテゴリ:建築知識 2010年5月28日(金)
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