設計者の想いの日々(ブログ)
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永井昭夫
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陶芸と建築

先日、笠間の陶炎祭に行ってきました。特に陶芸品が欲しかったわけではなく、「もの」を見る眼を少しでも養っておきたかったことと、歩き回ることで運動不足解消にはなるだろうという魂胆で、無数と言っていい位の陶芸品を見て回りました。
そして、「物造り」という観点から見て、陶芸と建築の世界は全く同じではないにしても、相通じるものがあるなと改めて痛感しました。

陶芸品は丁寧に扱っていれば、丈夫で長持ちで機能的でないと実用品にはなりえません。また、実用にプラスαの要素も必要です。お皿であれば、食材を盛り付けしたときに美味しそうに美しく映えるようなお皿のほうが食生活は充実します。花瓶であれば、花の美しさを引き立たせて、かつ、花と花瓶が渾然一体と調和したほうが憩いの自然空間を演出することができます。煎茶碗や抹茶碗は束の間の安らぎを与えてくれるような、そして緑色のお茶と渾然一体になるような、質素であっても創意工夫のある茶碗のほうが心からお客様をもてなすことができると思います。
機械化されたとは言っても、陶芸品は人間が作るものですから、心がこもっています。そして、陶芸品を作る陶芸家の個性が自然と現れています。食器、花瓶、茶碗等、形の違うものを作っても、やはり作風が現れます。
引き出しが多く、作品に奥行きのある陶芸家はバリエーション豊富な陶芸品を作っていても、根底に流れている基本トーンは決してぶれることがなく、見る者の心を強く惹きつけます。
陶芸品を作るにあたっては、基本的には実用品ですから、完全に自由なはずはなく、機能性も求められますし、原料となる粘土や窯の状況などにも制限されていくと思います。
そんな制約された条件のなかでも、自然と作者の個性が現れることは「物造り」の醍醐味に尽きると私は思います。

翻って、建築の世界はどうでしょうか。
やはり陶芸と同じで、丈夫で長持ちして、機能性があり、お客様のニーズに合ったものを実用品として提供しないといけません。
もう昔の話ですが、左手がやや不自由な方に、私はご飯の茶碗を贈ったことがあります。どうも茶碗の高さが1~2cm高かったようで、後々に、使いにくかった様子である実際の現場を拝見して、やはり建築の「設計」と一緒で、何事も細心の注意を払わないと迷惑をかけてしまう結果に終わるんだなと反省した次第です。
建物を設計するにあたっては、100人100様のお客様の具体的なお話をお聞きし、敷地の条件を考慮して、さらにお客様のご予算や今後の生活設計に基づいた唯一無二の提案をさせていただき、相当な打合時間をかけて行われます。同じ間取り・外観になったことは、少なくとも私がこの業界に入ってから経験がありません。
しかし、諸条件により100通り、1000通りのパターンが出来たとしても、根底に流れている基本トーンは決してぶれることがないように心がけていかなければならないと思います。
言い換えれば、私の信念は変えてはいけないということです。このことはとても優れた陶芸家の作品を見て強く思いました。
さまざまなお客様に対応できる多くの引き出しや奥行きを持ちながら、例えば、和風であろうが、洋風であろうが、モダン風であろうが、何でもありの状況のなかでも、根底に流れている私なりの信念が自然と輪郭として現れてくるような仕事をさせていただきたいと考えています。


追記
「陶炎祭」という行事を通して、いわゆる陶芸という「物造り」に真摯に取り組んでいる陶芸家が茨城県内に多数いらっしゃる事実を改めて確認できたことは、建築という同じ「物造り」の世界にいる私をとても勇気づけてくれました。「物造り」という伝統を後世に残す努力を今後もしていきたいと思います。
カテゴリ:建築文化・伝統 2010年5月6日(木)

コスト管理の重要性

もうだいぶ以前の話になります。
お客様の予算が2000万の設定であるにもかかわらず、ある事務所の設計図を元に施工会社各社に見積を依頼したところ、4000万近い見積書が各社から提出されて、どうにもならなくなったお客様からのお話が当事務所に寄せられたことがあります。
2500万の予算で3000万前後くらいの見積であれば、仕様その他の調整次第で、お客様の理想になるべく近い形で施工を可能にすることはできますが、見積が予算の倍になってしまっては、「設計図」の意味は全くない状態、まさに「絵に描いた餅」と言っていいでしょう。
お客様の話と設計図の相違点も多く、いわゆる「建築家」のエゴが前面に出された設計で、「建築家」の創意工夫はもちろん大事なのですが、予算がまるで合わなければ、全く労力の無駄なのではないでしょうか。
コスト管理があってこそ、「設計」が成り立つのです。

確かに、設計事務所に持ち込まれる案件はいわゆる一品受注生産品なので、設計の打ち合わせ段階では予算がつかみにくい側面はあります。
簡単な平面図と立面図だけの状態では見積が出しにくく、今後の打ち合わせで仕様や詳細を丹念に決めていかないと施工可能な正確な見積が出てこないのは事実です。こういった現実の中で、設計者に求められるのが経験に裏づけされたバランス感覚だと思います。
お客様の理想を全部叶えようとすると絶対に予算に合わない、でもそれを頭ごなしに否定せず、できる限り理想に近い代替案を提案するような創意工夫を常に念頭に置いて設計を進めることが重要だと思います。

例えば、「生け花」を例に出してみます。
豪華な花を一万円分たくさん買い込んで、何の創意工夫もなく花器を埋めるようにして生けた花と、決して高価ではない花を数種類2000円で買って、花と花の「間」の空間を生かしながら、伝統や人の経験に裏づけされている創意工夫でもって花器に生けた花のどちらが良いか?私は後者を選びます。
いわゆる「設計」についても同じことが言えるのではないでしょうか。
お金を生かすのも殺すのも人次第です。お金をかけて高価な材料を使ったり、手間をかければ間違いなく良い建物ができるわけではないことをわれわれ設計者は忘れてはいけません。
カテゴリ:当設計事務所の姿勢・信条 2010年5月2日(日)

伝統技術の継承

不景気による住宅・建築業界の低迷、そしてローコストメーカーの急激な台頭、過当競争による営業経費増大傾向が原因の工事原価の圧迫などの要因で、大工・設備工事など様々な職種で価格破壊が進んでいるようです。大工工事の坪単価に至ってはこの十数年で半分近くになっています。大工さんもなかなか自力で仕事が取りにくい昨今、生活のためハウスメーカーなどの下請業者となって、世間の平均賃金を大きく下回る安い手間賃で我慢している方々が多いのが現状です。

現在、大工さんは団塊の世代前後、つまり60歳前後以上の世代を中心に、高度な技術を身につけた職人気質の方々が沢山おられます。
柱や梁など構造材の「刻み」つまり加工は10数年前までは大工さんが手作業でやっておられましたが、次第にプレカット工場での加工が主流となり、昔ながらの高度な技術の継承が難しい情勢になっています。
また「木部」を現した昔ながらの化粧造りの家、いわゆる和風の住宅も高度な技術が必要で、「のこぎり、かんな、のみ」など沢山ある道具の管理も大変です。大工さんがこのような高度な技術を身に付けるためには、どんなに最低でも十年以上はかかります。

けれども、昨今の情勢では、大工工事の坪単価の急落により、辛い修行をしてまで大工を志す若者は減ってしまうでしょう。
そして団塊の世代の大工さんが大量に引退する時期はそれほど遠い先のことではありません。
つまり、今は日本の伝統技術の継承の危機にあるのです。何百年以上も続いた伝統の継承もできないで、日本の未来はあるのでしょうか?

確かに時代に合わせて、合理化しなければならない側面があるのも事実です。また大工さんの「俺に任せておけ」という悪い意味での「意地」が現在の多様化した価値観を持つ消費者に対応できなくなっているのも事実です。ベニヤ板や方眼紙に簡単な間取りを書いて、それをお客さんに見せて、「これでどうだい?」と確認する時代錯誤な大工がいるのも事実です。面倒なことを要望するとすぐ嫌な顔をする大工がいるのも事実です。
そのような大工さんの様々な悪い側面をカバーして消費者たるお客様を守っていくのが私たち設計・監理者の役目であると思います。そして、純粋な意味での、「伝統技術の継承」を何が何でも死守していく方策を取ることが建築士としての急務な課題です。
「価格破壊」は結構なことかもしれませんが、「伝統破壊」がこのまま進めば、「日本破壊」につながりかねないのでは?と思います。
カテゴリ:当設計事務所の姿勢・信条 2010年4月23日(金)

ホームページが完成しました

画像を提供して頂いたり、HP掲載の許可をして頂いた今までのお客様、そして、私の面倒なお話に快く対応して実際にHPを作成して頂いた飯田様のご協力を得まして、無事、ホームページを完成させることができました。この場を借りまして、厚く御礼を申し上げます。
また、実際にホームページを見て頂いて、沢山の方々からアドバイスや励ましをいただけたことはとても感謝しなければいけないことだと痛感しています。
まだまだ未完成ではありますが、これから内容を充実させていきますので、今後とも宜しくお願い申し上げます。
カテゴリ:お知らせ・ご挨拶 2010年4月19日(月)
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