設計者の想いの日々(ブログ)
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建築家 W・M・ヴォーリズ

W・M・ヴォーリズは、1880年にアメリカで生まれ、日本人と結婚して、近江八幡を拠点とし、日本各地に数多くの洋館を建ててきた建築家である。1958年に近江八幡市名誉市民第1号に選ばれる。日本名は、一柳米来留(ひとつやなぎ めれる)。
ヴォーリズのその建築様式は多彩であり、自身がプロテスタントだったことから教会を多く設計し、また、学校、住宅も非常に多く、郵便局、銀行、百貨店、ホテル、病院など、業績の用途も多肢にわたる。
滋賀の豊郷小学校で、建替えを強行する町長・行政・工事業者側と、保存を強く求める住民側とで、鋭い対立がマスコミに報道されたのは10数年前であり、まだ記憶に新しい(?)ところではあるが、この豊郷小学校を設計したのはヴォーリズである。
また実業家としても広く知られ、メンソレータムを日本に広く普及させた張本人とされる。
茨城県にもヴォーリズが設計した「ビンフォルド邸」が大正12年に建てられ、90数年経った今も下妻市に現存する。現在は教会として使用。


  

ヴォーリズが設計した近江八幡に現存する1921年に建てられた元郵便局で、現在はギャラリー・イベントなどの多目的スペースとして活用されている。

近江八幡は国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されて、旧い街並みがだいぶ残っており、ヴォーリスが設計したこの郵便局は西洋の様式が基調ではあるが、不思議と街並みと調和している。そして、築90年以上と古い建物ではあるが、経年変化によって培われたのであろう、味わい深さが残る。
下妻の建物も同様である。確かにあばら家と言われれば、その通りなのかもしれないが、味わい深さと気品と風格が漂うのである。
二つの建物に共通するのは、「経年劣化」ではなく、「経年変化」によって、味わいが深くなっているということである。
現在の建物の造り方、あるいは家造りは、メンテ重視と経済性優先の建前のもと営利を優先し、「経年変化」による味わいなど考慮されていないケースが殆どである。窯業系サイディングなどの印刷工業製品に依存し過ぎれば、、「経年劣化」があるのみであり、だいたい印刷では、「経年変化」もヘッタクレもないのである。また、最初は良くても、飽きやすいというのが印刷製品の特徴である。いくら印刷技術がこれから発達しようが、この事実は覆しようがないだろう。「馬鹿とサイディングは使いよう」とは確かに言いますけれども…。
技術が発達することで、確かに人間が得たものは多いでしょう。しかし、失ったものもそれ以上に多いのかもしれない。
カテゴリ:建築雑感 2014年2月28日(金)
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