設計者の想いの日々(ブログ)
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2010年10月3日(日)

複層ガラス(ペアガラス)

複層ガラスは「単板ガラス+中空層+単板ガラス」で構成されていて、いわゆる二重ガラス、ペアガラスと呼ばれる結露しにくい断熱性に優れたガラスで、2000年の頃は、まだ値段が高く、新築の建物で5%程度の普及率でしたが、時代の要請による省エネの高まりに伴い、この10年で一気に普及しました。

ペアガラスは単板ガラスと比較して、確かに断熱性に優れておりますが、遮音性にも優れていると誤解されている側面もあるようです。
ペアガラスと単板ガラスを比較した場合、中低音域では共鳴現象により、ペアガラスのほうが遮音性に劣ります。
一級建築士の学科試験にも、この手の問題が出題されている位なので、年配の一級建築士や大手ハウスメーカーの営業や監督、お施主さんでも勘違いしている方々が多く見受けられるのもやむをえないかと思います。
但し、ペアガラスでもある程度の遮音性を持たせることは可能で、異なった厚みのガラスの組み合わせをすることで共鳴現象を抑えることができて、この場合、外部側のガラスを厚めのガラスにしたほうが効果的です。あるいはアルミ+樹脂の複合サッシとした場合も共鳴現象を抑えることができます。つまり、異種の組み合わせをすることで共鳴現象を抑えていくわけです。また、最近では遮音用のペアガラスも発売されているようです。
ただ本格的にサッシ部で遮音を考慮するのであれば、ペアサッシ、つまりサッシを二重化することがいちばん効果的です。もちろん、断熱性もペアガラスと比較して飛躍的に向上します。ちなみに、既存の建物に内窓を取り付ける工事、つまり二重サッシとするための工事は住宅エコポイントの対象となります。
カテゴリ:建築素材・材料 2010年10月3日(日)

白熱灯・蛍光灯・LED

照明器具は大きく分類するとすれば、白熱灯、蛍光灯、LEDの三つに分かれ、それぞれに長所と短所があります。

白熱灯は蛍光灯やLEDと比較して燃費が非常に悪く、温暖化防止・省エネの観点から廃止の方向で世の中が動いておりますが、いちばん落ち着いて、人がくつろぐことができる、自然光に近い照明と言われています。
飲食店で白熱灯の種類の照明器具が多用されるのは、落ち着いて寛げるからだけでなく、料理が美味しく映えて見えるからです。白熱灯は蛍光灯と違って、空間を均一には照らすことはできず、どうしても陰影ができてしまいますが、この陰影によって、物の立体感や艶が強調されますので、料理が映えて見えるだけでなく、壁や天井の内装や空間を演出することが出来て、人の表情をも豊かに綺麗に見せることができます。絵画や写真に陰影の要素が重要であるのと同様だと思います。

蛍光灯は空間を均一に照らし、影がつきにくく、作業用の照明として最適で、オフィスや台所・厨房などに向いています。蛍光灯の色として、オフィスでよく使用される青く白い光である昼白色と、白熱電球の色に似せた黄色い光を放つ電球色があります。トイレや洗面所のように点灯・消灯を繰り返すような場合は寿命が短くなりますが、一般的な燃費は白熱灯の約4倍良いようです。

LEDは照明器具として、まだ歴史が浅く、開発途上にあると言えますが、燃費は非常に良く、寿命も長いので、値段はまだまだ高いですが、今後の展開には注目すべきものがあります。LEDの照明器具の現在の性能としては、光が直線的で広がらないので、特に大きな部屋では暗くなりがちで、実用には耐えられないのが本当のところです。廊下やトイレなどの細い空間や補助的な間接照明の用途であれば、大きな問題は発生しないと思われますが、設計者として、LEDを蛍光灯や白熱灯の代替品として積極的に勧めることはまだできません。

このようにエコロジーの観点から言えば、照明器具の選択として無条件に蛍光灯・LEDとなるわけですが、正直に申し上げて、生活を豊かにしてくれる白熱灯の魅力も捨てきれないものがあります。白熱電球の色と同じような電球色の蛍光灯もあることはありますが、均一に照らし出す蛍光灯の特性から逃げられませんので、白熱灯が映し出す物の陰影までは表現することはできません。
蝋燭の灯火が郷愁になってしまったように、白熱灯の明かりも郷愁になってしまうのか、それとも技術の進歩により、省エネ時代に即しながらも白熱灯の代替品として耐えられるような照明器具が開発されていくのか、設計者として、今後の行方を用心深く見守りたいと考えています。
カテゴリ:建築設備 2010年10月3日(日)
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