設計者の想いの日々(ブログ)
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安易な地盤調査と地盤改良に警鐘を鳴らす

現在の住宅の地盤調査では、ほとんどがスウェーデン式サウンディング試験という簡易的かつ安価な方法で行われています。このスウェーデン式サウンディング試験も、以前は手動式や半自動式が主流でしたが、最近は自動化・機械化が進み、地質の知識が全く無い者でも操作できるような試験方法に変わってきました。
元々、このサウンディング試験、その精度には難があり、補助的な地盤調査資料として、あるいは、軟弱地盤かどうかの目安を確認する程度のものでした。土質を判別するに十分な地中の土を採取することが出来ないのが最大の欠点です。
近年、スウェーデン式サウンディング試験の自動化・機械化が進んだことで、その試験の精度が上がったという誤解が、巷間、まかり通っているようですが、それは全くの誤りで、安全側に過剰に反応するこの自動的試験のお陰で、半数以上の敷地で、地盤改良が必要であるという不可思議な結果が生じています。
このサウンディング試験では、一般的に、25cm毎に、その地層の持つ強度を現す数値(換算N値)を算出して、5~10m位までの深さまで、結果表にまとめられています。
但し、このサウンディングの最近の自動式試験は、実際には、1cm毎にその結果を算出することが出来るようです。つまり、25cm毎に、換算N値を算出していくに当たって、その論拠となる数値は25個あるわけですが、その25個のなかでも最悪の数字を採用して、地盤調査の結果表を作成しているようなのです。
地盤が建物を支えるに当たっては、たった1cmの地点が建物を支えているのでなく、全体的な面として支えているわけですから、1cm毎に25通りの結果が出されたならば、その25通りの平均の数字が妥当な数値であるべきです。それが建築構造計算にあたっての常識的考え方です。

このサウンディング試験、一つの敷地につき、4~5ヵ所のポイントで測定が行われますが、結論から申し上げると、たった一ヶ所のポイントで、1cmでも悪い部分があれば、地盤改良が必要という結果を人為的に導き出されることが非常に多いようです。
こんな人為的な結果は、いわゆる「シロアリ悪徳商法」と何ら変わるところはないと私は思います。無料もしくは格安で床下を点検し、業者が勝手に白蟻を蒔いて、すぐ駆除工事をしないと大変なことになるっていう詐欺商法です。
このスウェーデンサウンディング自動化試験も、原価では3万程度で、格安に設定されています。普通に考えて、こんな金額で出来るはずはないのですが、その後の地盤改良工事が控えているので、そこで十分に元が取れるということでしょう。

このような理不尽な地盤調査方法がまかり通っているのは、まず、地盤調査を行う会社
が地盤改良工事をも、請け負ってしまうことが原因です。
こんないい加減な調査方法で、無駄な地盤改良工事が日常茶飯事に行われている現実について、疑問を呈している者は、建築の素人で多くを占められている現在の住宅業界のなかに於いて、皆無に近いのが現状です。
また、住宅会社にとって、この地盤改良工事が大きな追加工事として利潤を確保できる側面があることも、現在の地盤調査の安易なあり方に拍車をかけているのではないでしょうか。

保険の意味で、仮に必要性が無かったとしても、地盤改良工事をしておけば、何かと安心という考え方もあるでしょう。
ところが、この地盤改良の大半の工事について、将来、私たちの子孫に、非常に大きな問題を残すことが明白なのです。
一番、安価な地盤改良工事として、柱状改良というものがあります。地盤にセメントミルク(セメント+水)を注入して、土と攪拌して、直径60cmの柱を、4~5mの深さまで作るものです。平均的な住宅の床面積の建物で、この柱というか杭は、30~40本作られます。
問題となってくるのは、この柱状改良の寿命です。例えば、50~100年後に家を建替える際、この柱状改良が再利用できるかというと出来ません。かといって、この柱状改良を撤去するのも、やってやれないことはないでしょうが、大変な工事と金額になることでしょう。また、この柱状改良杭を避けて、新しい建物を配置することも非常に難しいでしょう。
つまり、産業廃棄物が埋められた土壌を子孫に残すということになります。あるいは土地を売却しようにも、そのような汚染された土地では、それも難しいでしょう。
ちなみに、この柱状改良された地盤で、先の震災において、基礎の不同沈下の被害が多く報告されています。
安易な地盤調査と地盤改良は、貴重な財産を失いかねない行為ですので、当設計事務所としては、現在のこのような趨勢を憂慮し、警鐘を鳴らさざるをえません。
カテゴリ:住宅・建築業界 2012年3月25日(日)
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